露産LNGが日本市場を失う

国営石油会社「ロスネフチ」と国営天然ガス会社「ガスプロム」は、極東にLNG基地を建設する計画を立てており、日本は目標とする輸出市場になっている。=タス通信撮影

国営石油会社「ロスネフチ」と国営天然ガス会社「ガスプロム」は、極東にLNG基地を建設する計画を立てており、日本は目標とする輸出市場になっている。=タス通信撮影

日本を有望なガス輸出市場と見なしていたロシアの国営企業は、どうやらその計画の見直しを迫られそうだ。2011年の福島原発事故後に原発を停止し、世界の液化天然ガス(LNG)の実に3分の1を現在輸入している日本が、原発を再稼働してLNGの需要を減らす可能性がある。

 日本にある50基(福島第一原発を除く)の原発うち、6月に稼働したのはわずか2基にとどまったが、すでに日本のLNG輸入量は3%減少している。日本は現在、あと5原発10基を9月に再稼働するための協議を行っているが、これが決定されれば、今年のLNGの最終的な需要が最大10%減ることになるかもしれない。

 日本財務省の統計によると、6月のLNG輸入量は、昨年同期比3.1%減の644万トンだった。同月の石油輸入量も、7.9%減の9363万バレルとなった。昨年7月から大飯原発の3、4号機が再稼働されていることが、このような減少の主な理由だという。

 安倍晋三首相率いる新政府の政策を考えると、今後も原発が再稼働されていく可能性はある。茂木敏充経済産業相は今春、民主党が目指していた「2030年原発ゼロ社会」の計画を見直す考えであることを話していた。福島原発事故を教訓とした新安全基準は7月8日に施行され、電力会社4社が原子力規制委員会に原発の再稼働を申請した。5原発10基が再稼働する可能性があり、日本政府は9月にその最終決定を行う。

 これらの原発が再稼働すれば、ガスの需要は今年10%減少することになると、ロシアの投資分析会社「インヴェストカフェ」のグリゴリー・ビルク氏は考える。ビルク氏によると、福島原発事故があった2011年のLNG需要は前年比12%増、2012年は約8500万トンを輸入し、現状維持であれば2013~2014年の需要は2~4%増になるという。だが、原発を再稼働した場合、2035年までのガス需要は7500万トンほどに減少するという。

 国営石油会社「ロスネフチ」と国営天然ガス会社「ガスプロム」は、極東にLNG基地を建設する計画を立てており、日本は目標とする輸出市場になっている。すべてのプロジェクトが実現されれば、ロシアは2020年までに4500~5000万トンのLNGを輸出できるようになる。ビルク氏の考えでは、日本が原発を再稼働しても、ロシア産ガスへの需要は両国の距離の近さもあって続くが、LNGについては他の生産者と競争することになるという。「スコルコボ」ビジネス・スクール・エネルギー・センターの予測では、世界のLNG生産量が将来的に、現在の2倍相当の最大5億8000万トンになる。これは価格低下を引き起こす。現在日本が輸入するLNGは世界最高額で、平均して1000立法メートルあたり約650ドル(約6万5000円)だ。フランスの大手金融機関「ソシエテ・ジェネラル」のティエリ・ブロ氏は、日本がLNG市場の価格に影響を及ぼしたいのであれば、原発をいくつか再稼働する必要があると考える。世界の今年のLNG納入量は2012年とさほど変わりないが、需要が現在増加しているのは、アジアではなく、中南米だという。

 

 元記事(露語)