“一味違う”日本の投資

=Press Photo撮影

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モスクワにあるロシア通信社の国際プレスセンターで4月29日、安倍首相に同行した経済視察団の記者会見が行われた。記者会見を主催したのは日本政府の内閣官房広報室で、経済と市民交流の分野における日露協力の可能性を示すのが目的だった。

 日本の大手企業の代表らは、最近の日本の発展について語り、ロシア人の健康と快適な生活に直結する、都市環境、省エネと新しいエネルギー、医療、食品および農業の4つの分野で、ロシア側への提案を行った。

 

街づくり、省エネでの提案 

 日建設計の中村光男代表取締役会長は、モスクワ、サンクトペテルブルク、ニジニ・ノヴゴロド、クラスノヤルスク、ヴォルゴグラードの5都市において、ロ シアの企業と協力した「街づくり」プロジェクトが活発に進められていると話した。

 中村会長は、日本の専門家によるモスクワの渋滞問題の解決についても、興味深い提案を行った。「モスクワは非常に美しい街であるため、政府機関や大型の研究機関などを郊外に移設すれば、都心の交通量を著しく緩和する ことができ、歴史的な街並みを保存できる」。

 また、ロシアはインドや中国と同様、エネルギー効率(国のGDPに対する電力消費量)において世界で下位に位置しているため、日本の専門家は自国の経験を伝え、ロシアの企業が電力消費を著しく抑えて効率を高められるように協力することができるという。

 

“美味しい”プロジェクト 

 北海道銀行の堰八義博頭取は、極東で2ヶ所目となるウラジオストク駐在員事務所を開設することを明らかにしたほか、アムール州の大型農業プロジェクトについても語った。

 「アムール州政府の支援のもと、土地の開拓を進め、500ヘクタールの農地で大豆、そば、とうもろこしを栽培することを計画している。5月には4人の日 本人技術者を駐在させる。8月までにはそば、9月までには大豆が実るため、その結果を見てその後の計画を作成したい」。

 「もし当地の農産物生産量がロシア市場にとって多すぎるようであれば、残りを飼料として日本に輸出することもできる(日本はその大部分を海外から購入しているため)」。

 会議を締めくくったのは、味の素の伊藤雅俊社長の「一味違う」挨拶だ。季節に合う新鮮な食材を使った日本食文化を、ロシア市場に根付かせることが主な課題 だという。「ロシアに健康と長寿を!」。このスローガンで同社は、ロシアの消費者の信頼を得る計画だ。味の素の3人の日本人研究者は昨年12月、ロシア政府の科学・技術分野の賞を受賞している。