今年の半ばまでに、これまでの廃車のメカニズムが廃止され、あらゆる生産者に対して、廃車処理料金の支払が課せられる。=ルスラン・クリヴォボック撮影/ロシア通信
ロシア政府は、輸入車と生産者に対して等しい条件を設定するモデルを策定したが、この会合では、EUの政策執行機関である欧州委員会は、このモデルに反対しなかったという。
また、この会合でロシア側は、廃車料金の額は引き下げないと通告したという。EU側は、この引き下げを提案していたが、反論はしなかった。
今年半ばから廃車処理料金を全生産者に一律導入
大方の予想では、今年の半ばまでに、これまでの廃車のメカニズムが廃止され、あらゆる生産者に対して、廃車処理料金の支払が課せられる。その基本料金は、軽自動車は650ドル(2万ルーブル)、バスとトラックなどの大型車両は5千ドル(15万ルーブル)となる。
現在のところ、廃車処理料金を支払っているのは、自動車の輸入業者と、自ら廃車処理を行うことができない、いくつかの工場だ。これらの工場は主に、特殊な付加部品を製造する比較的小さな工場である。
ロシアのWTO(世界貿易機関)加盟後に欧州委員会が、この従来のやり方は輸入業者を差別するものであるとして、条件を等しく設定することを要求している。
すでに現地生産しているメーカーには優遇措置
一方、ロシア政府は、ロシア国内で現地生産している自動車メーカーに対しては、部品の輸入に関する優遇措置を講じる考えだ。なぜなら、廃車処理料金が一律導入されれば、その時点より以前に結ばれていた投資プロジェクトの契約条件がより厳しくなるからだという。
このロシア側の考えには、EU側は反対しなかった。この種の契約のほとんどはEUの自動車メーカーと結ばれたものだからだ。
ロシア政府が、EUの要求に応じて廃車処理料金の額を引き下げれば、これは輸入増大を招くのに加え、外国自動車メーカーが新たに現地生産を行うか既存のロシア工場を発展させる意欲を削ぐことになると懸念される。
自動車の値上げは必至
だがいずれにせよ、廃車処理料金の一律導入は、自動車の価格を押し上げることになるだろう。「市場は必ず値上げという形で反応するだろう。もちろん、生産者によって置かれた条件はさまざまだが、値上げは避けられそうもない」と、「ヨー自動車」のアンドレイ・ビリュコフ社長は言う。
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