秒読み段階のソチは?

ロシア通信撮影

ロシア通信撮影

ソチ冬季五輪の最初の競技は、開幕前日の6日に行われた。ということは、ほとんどの施設は、少なくとも1日前には準備が完了していなければならないはずだが…。

数時間前の状況

 正直言って、すべてが理想的な仕上がりとは言い難い。2月7日、20時14分の開幕の時間までに――もし事がうまく運べば――理想的に仕上がるように、努力している、と言うべきだろう。

 フリースタイル、スノーボードなどスキー競技が行われるのは、山間部のクラースナヤ・ポリャーナ地区「ローザ・フートル」で、そこの施設に向けて、同じ名前のホテル「ローザ・フートル」からロープウェイが通じているのだが、いまだに作業員がピリピリしながら、道の両脇に松の若木を植えている始末。

 鉄道駅「クラースナヤ・ポリャーナ」では、作業員達が、何でも我慢しちゃいます、とでも言いたげな表情で、辛抱強く橋を塗装している。どこの歩道も、清掃員が懸命に掃き清めている――まるで、いかに掃くかで、ロシアチームのメダル獲得数が変わってくるかのように、異常な熱心さで。

 黒海沿岸部の「オリンピック・パーク」では、あちこちに満杯になった巨大なゴミ箱がある。すぐ撤去しますよ、と言い出してから、もう3日目だが…。山間部の会場のほうも問題がある。例えば、スキージャンプ場では、うっかりするとドロドロのセメントにはまりかねない。

 

「良識とヤル気は時にどんな経験にも代えがたい」

 でも、責任をもって、自分の仕事を見事にやり遂げようとしている人たちの顔を見ると、そんなのは大したことじゃない、という気がしてくる。

 私が働いている施設では、最初の競技は、大わらわで混乱のうちに行われた――まあ、今に始まったことじゃないけど。

 でも、あるときミーティングで、私達のリーダーがこう言ったっけ。「私達のなかで五輪の組織・運営の経験がある者は皆無に近く、ほとんど全員が初めてだと思うけど、でも良識とヤル気は、ときにどんな経験にも代えがたいことがある」。これは、五輪全体のライトモチーフだと言っていいだろう。

 私達の施設ではようやくどうにか、みんなが自分の仕事に慣れて、スムーズに動き出してきたところ。

 周りには、マネージャーやリーダーに率いられたボランティア達があちこちにたむろしているし、施設の見学もひっきりなしに行われている。「ガイド達」は、自分の受け持ちの説明は、すっかり慣れっこになってしまって、自動的に口をついて出てくる。

 

カナダ選手の「通過」

 でも、他の人たちは、そういう「自動化」には達していない。報道関係者はいまだに、「スピード・インタビュー」のための「ミックス・ゾーン」がどう機能するのか、腑に落ちないでいるため、アクレジテーション(記者登録)のための場所に、しょっちゅう迷い込もうとしている。

 スポーツ選手たちも、混乱を増幅している。昨日私は、「いかにも」の場面を目撃した。カナダの選手達が、「ミックス・ゾーンを通過する」という表示を文字通りに解して、ゾーンに突進し、スキーをかついだまま、元気に障壁を乗り越えて、遮二無二「通過」してしまったのだ。まあ、初日はこういうこともあるさ?