タラソワ「羽生は天才中の天才」

ロイター通信
 米ボストンで開催中のフィギュアスケート世界選手権がたけなわだ。前半戦の結果をまとめてみると、男子シングルに関しては、波乱の余地はほぼなさそうだ。一方、女子は、ロシアのファンたちの期待に反して、予断を許さない混戦となっている。

ロシアの希望

 フィギュアのロシア代表で最も大きな期待をかけられているのが、今シーズンの星、エヴゲニア・メドヴェージェワ(16)だ。バルセロナで今季のグランプリ・ファイナルを制し、欧州選手権でも優勝。シニアとして初の世界選手権制覇に挑戦している。

 しかし、31日のショートプログラムは73.76で3位。同じロシアのアンナ・ポゴリラヤ(73.98)に遅れをとり、現時点で首位に立っている米国のグレイシー・ゴールド(76.43)には2.5ポイントの差をつけられた。

 メドヴェージェワは演技後、フィギュアスケート連盟によるインタビューで、自分の犯したミスについて、次のように述べた。

 「滑りには完全に満足してはいません。必要な場所で連続ジャンプをできなかったからです。ふつうはフリップとトーループの連続ジャンプを跳ぶところだったのですが、最初のフリップがうまくいかなかったので、リスクを冒すことは避けたのです。結果的に最初のジャンプがマイナスになり、そのことは、もちろん、次のエレメントを前にした私を緊張させました。そこで連続ジャンプを跳ぶこともできるわけですから。けれど、なんとかうまくいきました。全体としては、悪くない滑りです。そう落ち込んでもいません」

 ロシアの有名なコーチであるタチアナ・タラソワ氏は、スポーツチャンネル「MATCH TV」における解説で、このジャンプの変更について次のようにコメントしている。

 「これはよく考えられたトレーニング・システムです。ただ出来ることではありません。メドヴェージェワのトレーニングを見ると、彼女がどんな状態からでもダブルやトリプルを跳べるのだということが分かります。試合で簡単にできることではありません。これはよく考えられたトレーニング・システムのたまものです」とタラソワ氏。

 選手権の最終順位を確定するフリープログラム、女子は日本時間で4月3日(日曜日)の午前8時に行なわれる。

 

日本の現実

 30日にショートプログラムが行なわれた男子シングルは羽生結弦(21)が110.56で他選手を大きくリードしている。ロシアのミハイル・コリャダは6位(89.66)。現時点の2位は前大会覇者、スペインのハビエル・フェルナンデス(98.52)で、3位はカナダのパトリック・チャン(94.84)。

 タチアナ・タラソワ氏(2007年-2010年に浅田真央のコーチを務めた)は、羽生の演技に次のようにコメントした。

 「稀有の逸材で、天才中の天才。言葉もありません。感激、の一言です。なんと長く続いた登り坂だったことでしょう。なんと長いあいだ、自分に可能な全てのことを行ない、ひとつにまとめ上げるための力を、十分に持てないでいたことでしょう。今はもう、ただただ彼に感謝しています。私はコーチとして50年も働いてきました。そしてついにこのようなものを目にする幸福を味わっているのです。人間の到達点に限界などはないのだ、ということを、この目にしているのです。彼は今こそ強く、軽く、繊細です。すべてがまさにあの回転のために機能している。彼が跳ぶとき、彼はまるで空気を手につかんでいるようなのです。彼自身が空気のない空間にいるようなのです。たぐい稀な選手です」

 男子のフリープログラムは日本時間で4月2日(土曜日)の午前8時に行なわれる。

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