W杯カウントダウン

水泳の世界選手権で女子4x200メートル自由形リレー。カザン、ロシア。8月6日=

水泳の世界選手権で女子4x200メートル自由形リレー。カザン、ロシア。8月6日=

AP通信
 2015年のロシア・スポーツ界では国内でさまざまな国際大会が開催された。新たに注目される選手も出てきた。一方で、海外からはロシアのリオデジャネイロ五輪参加やサッカー・ワールドカップ(W杯)主催に影響を及ぼしかねないビッグニュースが舞い込んでくるなど落ち着かない1年だった。この不安定さは16年も続きそうである。 

国際大会相次ぐ

 トップレベルのスポーツイベントはこれまではもっぱらモスクワとサンクトペテルブルクで開かれてきたが、14年のソチ五輪以降は地方でも催されるようになった。

 最大のイベントはカザンでの水泳世界選手権大会だった。他にもチェリャビンスクでは柔道とテコンドーの世界選手権、ハバロフスクではバンディーホッケー世界選手権、ウラジオストクではセーリングのISAFネーションズカップ・グランドファイナルがそれぞれ開催された。

 そして、16年2月にはモスクワ郊外のコロムナでスピードスケートの世界距離別選手権が行われる。

 

 国籍変えた選手たち

 今年話題になったのはボクシングのロイ・ジョーンズと総合格闘技のジェフ・モンソンの2人のアメリカ人がロシア市民となったことだった。

 昨年のソチ五輪でショートトラックのビクトル・アンやスノーボードのビック・ワイルドといった国籍を変えた選手が五つの金メダルを獲得した後に、外国人選手によるナショナルチームの補強について論議が起こっていた。

 

ライバル6人娘

 フィギュアスケートでは1970~80年代にソ連のペアとアイスダンスが無敵を誇った。90~00年代には男子シングルが他を寄せつけず、女子も05年にモスクワでの世界選手権でイリーナ・スルツカヤが金メダルに輝いた。

 目下、女子シングルのロシア勢は世界フィギュアスケート界をリードしている。エリザベータ・トゥクタミシェワは上海での世界選手権で優勝し、エレーナ・ラジオノワ、エフゲニア・メドベージェワ、アンナ・ポゴリラヤといった有望な若手が頭角を現してきた。

 ソチ五輪のヒロインとなったアデリナ・ソトニコワとユリア・リプニツカヤもうかうかしてはいられない。

 

政治的な中止説

 ブラジルでの14年のサッカーW杯の準備はスタジアム建設に関連した絶えざるスキャンダルの中で進められたが、18年のW杯開催国であるロシアが直面している状況はさらに深刻である。メディアでは主に政治的理由によるロシア大会中止の可能性についてしばしば報じられている。

 15年5月末、国際サッカー連盟(FIFA)の一連の役員が米国とスイスの調査によって汚職とマネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で逮捕された。

 捜査は最高指導部にも及び、10月にはFIFAのゼップ・ブラッター会長と欧州サッカー連盟(UEFA)会長のミシェル・プラティニ副会長が横領の容疑で一時的に活動停止処分を科された。16年2月のFIFAの会長選挙を控えて、事態は予断を許さない。

 こうした混乱にもかかわらず、ロシアW杯は、7月に予選の抽選が行われ、9月の「開幕1000日前」にはモスクワ中心部に設置された時計がカウントダウンを開始した。

 

大揺れの陸上界

 2015年はロシア陸上界にとっても苦難の年となった。昨年末に放映されたドイツ公共放送連盟(ARD)のドキュメンタリーで、ロシア陸上選手の間にドーピングが横行している実態が暴かれた。ロシアの独自調査で、ロンドン五輪の金メダリストを含む代表選手が資格を剝奪された。有力選手が抜けた北京での世界選手権でロシアは二つの金メダルしか獲得できなかった。

 これは氷山の一角にすぎず、11月、世界反ドーピング機関(WADA)は陸上選手の陽性反応を隠匿していたとしてロシア当局を非難。国際陸上競技連盟(IAAF)はロシア人選手の国際競技会への参加を禁じることを決定した。リオデジャネイロ五輪に出場できるかどうかは、今のところ微妙である。

 

F1でクビアト活躍

ダニール・クビアト。、モントメロ、スペイン。2月21日=Getty Images

 ダニール・クビアトが1年前にトロロッソからレッドブルへ移籍したとき、多くの人は彼の大きな飛躍を予想した。優勝こそないものの、全体として予想は裏切られず、21歳のレーサーはより強力なマシーンでポイントを着実に稼ぐようになった。

 今年、クビアトは安定感が抜群で、F1のエリートの仲間入りを果たした。来シーズンもレッドブルから参戦するが、成長が期待できる。クビアトはロシアにとって史上最高のレーサーであり、ハンガリー・グランプリでの2位はロシアのF1参戦史上最高の成果となった。