スケ連ゴルシコフ理事に聞く

ロシア・フィギュア・スケート連盟(FFKR)のアレクサンドル・ゴルシコフ理事=

ロシア・フィギュア・スケート連盟(FFKR)のアレクサンドル・ゴルシコフ理事=

ロシア通信/アレクサンドル・ヴィリフ撮影
 アイスダンスの五輪金メダリストである、ロシア・フィギュア・スケート連盟(FFKR)のアレクサンドル・ゴルシコフ理事が、フランス南西部ボルドーのグランプリ(GP)シリーズ第4戦フランス大会の中止、フランスでテロが起きて間もない時期に開催されるロシア大会への準備、プルシェンコの状態、リプニツカヤの年齢的な問題、フィギュアスケートのドーピングなどについて語った。

 モスクワの「ルジニキ」小体育館で11月20~22日、GPシリーズ第5戦ロシア大会が開催された。大会には13ヶ国179人の選手が参加した。その中には、アデリナ・ソトニコワ、アンナ・ポゴリラヤ、アルトゥール・ガチンスキー、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)、クセニヤ・ストルボワ、ヒョードル・クリモフ、エレーナ・イリイヌィフとルスラン・ジガンシン組、ヴィクトリヤ・シニツィナとニキータ・カツァラポフ組、長洲未来(アメリカ)、アンジェラ・ワン(アメリカ)、小塚崇彦(日本)、ミハル・ブジェジナ(チェコ)などのスターがいる。コーチの変更を発表したユリヤ・リプニツカヤは、ロシア大会には出場しない。

 

-フランス大会はパリで起きたテロによって中止になりました。選手の反応はいかがでしたか。

 これは非常に予想外でした。すべてがめまぐるしく動きました。11月13日金曜日、ショート・プログラムの競技が終わった時、レストランへの最初の攻撃について聞き、そして次から次へと新たな情報が入ってきました。翌日の練習が始まったのは午前7時半。午前9時に代表の役員との会議が開かれ、そこで練習を続けるという話になりました。女子が滑り、次にアイスダンスと男子が滑ったものの、ペアは練習をすることができませんでした。12時に別の会議が開かれ、そこで大会中止が告げられたのです。選手は競技するつもりでした。全員が本当の恐怖を体験しました。

 

-ロシアの連盟は未完了のフランス大会について、どのような提案を行いましたか。

 状況は前例のないものです。今はGPファイナルへの出場資格となる結果の計算をどうするかを決めなければなりません。中止発表後すぐに、国際スケート連盟(ISU)フィギュアスケート部のスポーツ・マネージャーがISU理事会のメンバーに、ショート・プログラムの結果をフランス大会の最終結果とすることを提案しました。この提案が優先的であることは明らかです。当連盟は、ショート・プログラムの結果以外に、ファイナルへの出場資格者を6人ではなく、8人に増やすことを定めた、個別の提案を作成しました。この追加的な出場者を、全6大会が終了した後で定めるようにします。考慮に入れられるのは、フランス大会に出場した選手のみです。当連盟の提案をすでに、GPシリーズの他の主催国が支持しており、ISUに送られました。

 

-現在、誰もが陸上のドーピング・スキャンダルについて話しています。これはフィギュアスケートにとって差し迫った問題ですか。

 ドーピングの話題はフィギュアスケートには無関係です。最近では、昨シーズンを欠場したイタリアのカロリーナ・コストナーがいました。ですが、この場合でも、コストナー自身が違法薬物を摂取したのではなく、コストナーに近しい人物がドーピングをするのを手伝ったことで失格になっています。フィギュアスケート史においてこのようなことはありましたが、非常にまれで、それも不注意によって起きただけです。フィギュアスケートではドーピングは助けになるどころか、害にしかなりません。

 

-五輪金メダリストのユリヤ・リプニツカヤとアデリナ・ソトニコワの状態はいかがですか。

 リプニツカヤはすでに、困難な状況への対処を始めています。この問題の多くが年齢的なものと関連していることは明らかです。フランス大会では、アメリカ大会よりもはるかにうまく滑りました。動きが良好なことは明らかで、嬉しく思います。五輪で滑った少女のリプニツカヤと今滑っているリプニツカヤの違いに気づいてもらえないのでしょうか。リプニツカヤはもう別人になっています。ソトニコワにも年齢の変化に関連する一連の問題があります。女子選手は誰もが経験することです。影響があまり出ない選手もいれば、大きく出る選手もいます。今は辛抱の時なのです。

 

2度の五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコはケガから回復できましたか。

 全力で練習することは、今のところ、無理です。プルシェンコは再び腰の問題を抱えており、誰もがそれを知っています。外科的に解決する必要があります。そうしないと、4回転ジャンプは非現実的になります。確か、来年の春に手術が予定されていますよね。その後、どうなるか見守っていきましょう。本人は競技に出場したいと思っていますし、心の準備もできています。プルシェンコのような選手は、めったに出てきません。

 男子シングルにマクシム・コフトゥン、セルゲイ・ヴォロノフ、ゴルデイ・ゴルシコフ、ミハイル・コリャダがいて良かったです。アルトゥール・ガチンスキーには一定の健康問題があります。今後については今のところわかりません。どうなるか、見守っていきましょう。非常に優れた男子シングルの選手が今いるのは日本です。ロシアは女子シングルが強いです。アメリカの男子シングルにも現在、特に目立った存在はいません。

 

記事全文(露語)

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