かわた氏は、「この作品の意味は、日本で幅広く上映され、商業的な成功を収めた初めてのロシア映画作品だということ。何れにしてもこれは稀に見るヒットであるが、そもそもロシアが単独で撮影した映画が日本全土という幅広い規模で公開されるのも近年ないことである。映画は封切り後1ヶ月で、6,000万円の興行収入を上げたが、上映は今も続いているため、最終的に興行収入は1億円に達するだろう」と述べている。
映画の製作を行ったマルス・メディア社は、ロシア映画でこれほどのヒットを収めたのは、ニキータ・ミハルコフ監督の「太陽に灼かれて」(1994)以来のことだと指摘している。
日本で公開される映画のうち、外国映画が占める割合は全体の45%であるが、その大半はアメリカ映画でありことから、ロシア映画が興行収入を上げたことは映画の成功ということができる。しかも映画の上映は宣伝なしで行われた。
また、かわた氏は「映画は観客から高い評価を得た。映画終了後に観客たちが拍手をしたとも聞いている。これは日本では非常に珍しいことである。もう一つ素晴らしいことは、観客が2度3度と何度も映画館に足を運んでいるということ。こうしたことを考慮し、上映は2バージョンで行っている。1つは日本で上映するために若干短縮したもの、もう1つはロシア国内で上映されているオリジナルを観たいという人のためのもの」と語った。
作品の人気の理由はいくつかあるが、レベルの高いコンピュータ・グラフィック、戦車のアクションシーン、そしてロシア映画を熱狂的に受け入れているファンがいる「ガールズ&パンツァー」の人気などが挙げられる。
かわた氏によれば、TWIN社の代表も作品を長期にわたって公開したいとの意向を示している。これについてかわた氏は「現在、映画館と交渉を進めており、さまざまな方法について検討している。長期間にわたって公開できるよう期待したい」と述べた。「これまで弊社はロシア映画の配給は行ったことがなかったが、今回この作品の配給を試みることにした。つまりロシア映画の配給はこの作品が初めてということになるのだが、今後もロシア映画を扱っていきたい」と述べた。
ロシア映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」は10月25日に日本で封切られ、現在も引き続き上映されている。ロシア国内では2019年1月1日に初めて公開されたが、作品は記録的なヒットとなり、興行収入が20億ルーブル(およそ35億円)を超えた史上2作目のロシア映画となった。
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