セルゲイ・べズルコフが芸術監督を務めるモスクワ・グベルンスキー劇場の「理性の睡眠(ゆめ)」が先週末、愛媛県東温市で開かれたアジア8K映像演劇祭で上映された。8Kとは横×縦の解像度が7,680×4,320画素を持つ映像で撮影されたものだ。ロシア 通信社が伝えた。
「この芝居にはなにか心の琴線を揺さぶるものがあります」。観客の一人はこのような感想を口にした。「しかし自分の人生に照らし合わせて見ると、人生というものの捉え方がわたしと彼とでは違うように思います。おそらくそれは宗教的な感覚の違いかもしれません。ロシアはキリスト教で日本は仏教だからです。また理性とはなにかという解釈においても違いがあると思います」。
セルゲイ・べズルコフ監督の「理性の睡眠」はニコライ・ゴーゴリの小説「狂人日記」をモチーフにしたもので、今年3月初旬に東京で初めて8K映像で上映され、8K技術を使って上映された最初の外国の演劇作品となった。
アジア8K映像演劇祭は今回、日本で初めて開催されたが、主催者らは2020年までに世界規模の演劇祭にするつもりだと語っている。8K技術で世界の演劇を撮影し、上映するというアイデアは世界各国の優れた演劇を日本の観客に紹介したいという考えに基づいている。
演劇祭では日本の6作品、韓国、ロシア、台湾から1作品ずつが上映された。
ロシア通信社の記者に対し、坊ちゃん劇場の越智陽一代表取締役は、「今回の演劇祭ではロシアがたくさん扱われている」と述べた。
一方、韓国の演出家たちは、今回8Kで上映したフョードル・ドストエフスキー作のミュージカル「カラマーゾフの兄弟」で斬新な解釈を見せた。
解像度8K(4Kの4倍の33.2メガピクセルの解像度)での撮影と上映においては、編集を一切行わず「1ショットで」芝居を撮ることができる。また高い解像度により、観客たちは舞台全体を見ることができ、俳優や舞台装飾、好きな方に注目することができる。音は舞台から直接録音されており、観ているうちに実際に劇場にいるかのような臨場感が得られる。また8K映像は劇場用のオペラグラスを用いて観ることもでき、どれだけ大きく拡大しても映像がぼやけることはないという。
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