ロシアサッカーの実情を背景にした近代映画4選

カルチャー
ニコライ・シェフチェンコ
 フーリガンやギャングが幅を利かせていても、希望や愛情がそこにはある。

⒈ コーチ(Trainer)2018

 ロシアサッカー代表チームのある選手がどうかしてかペナルティキックを蹴り損ね、その試合を台無しにした。そしてチームは彼のミスで勝利を手離した。彼は自分自身が許せなかったばかりか、周りの人たちからも非難を浴びた。しかし、この選手、まもなく誰も知らないような町のチームのコーチとして声がかかる。彼はそこで、選手からの敵対心と戦いながらも、過去成し遂げられなかった勝利にチームを導く。

 映画はドイツとロシアの劇場で4月28日に公開される。作品はロシアサッカーの現状をとてもうまく表したものである。つまり希望はあまりないが、それでも奇跡が起こるのではと信じているということ。

 

⒉ エラスティコ 2016

 田舎町のある少女が同じ町に住む男に恋をした。彼はどこにでもいる普通の男であったが、ただ誰よりも速く走ることができた。しかし彼は生活の糧を得るために、この能力を使って詐欺を働いていた。

 ある日、プロサッカーチームが彼に目をつけ、モスクワに誘った。彼はモスクワに行くことができるとはこれまで考えたこともなく、これは2人にとって一生に一度のチャンスだった。しかし、彼らには旅費がなく、なんとかするために彼はとんでもない手段を選ぶが致命的な失敗をしてしまう。

 この映画は10代の若者たちにとって、サッカーが絶望的な生活から抜け出う唯一の手段であるとともに、大人になるための唯一の手引きであることを語っている。

 

3. The Box 2015

 4人の不良仲間が、ロシアの俗語で「BOX」と呼ばれる、貧弱なサッカー場を牛耳っていたが、ある日、若手プロサッカー選手が率いるライバルチームに乗っ取られそうになる。

 このような危険なことは往々として暴力につながる。彼らは不必要な犠牲者を出さないように、究極的な試合をすることに決めた。勝ったほうがサッカー場を得るのである。

 試合は地域のすべての住民に見守られながら始まった。

 このフーリガンドラマは、ロシアの底辺のサッカー事情について描いている。ただしジャンルはかなり違っており、プロサッカーの話よりももっと暴力的である。

 

4. Kicking Off, 2013

 生まれも育ちも違う4人の仲間だが、一つだけ共通点があった。他のフーリガンと争うことである。この4人は、モスクワの平和を脅かし、警察が注目するフーリガンの中心メンバーである。彼らに対して警察は力づくの対策を優位に打っていたが、それがいつもフーリガンの先手を行っていた。フーリガンのリーダーは身内にスパイがいるのではないかと疑う。だれがスパイかを詮索するうちに、彼は仲間のフーリガンの恋人を好きになってしまう。

 ロシアのフーリガンの暴力性はフランスで行われたユーロ2016での事件のあと伝説になった。2018年のFIFAワールドカップではフーリガンたちが目立たないことが期待されているため、この映画がロシアの暴漢が事をおこすのを見る唯一のチャンスかもしれない。しかも、ここでは実際のフーリガンが暴れている生の映像がこの映画で使われている。