ロシアの正教徒
=AP通信ブリヌィ(パンケーキ)で食べて楽しむマースレニツァ(バター祭り)のお祝いが終わった月曜日から、正教徒の伝統では1年でもっとも長くもっとも厳しい精進期である大斎期が始まる。大斎は復活大祭の4月16日(今年の正教会の復活祭はカトリックの復活祭と重なる)まで続く。2%(約300百万人)のロシア人が7週間の斎期を守る。インターファクス通信がレヴァダ・センターの世論調査の結果を引用し伝えている。
完全な斎戒というのはあらゆる“恒温動物”の製品、つまり動物性食品(肉、卵、魚、海産物、すべての乳製品)そしてバターを避けることになっている。また最初の日と最後の日はまったく何も食べず、2日目はパンと水だけしか食べない方がよいとされており、それ以外の日はアルコール(休日には少量のワインが許される)、煙草、性交渉、悪い言葉、良くない考えを避けなければならない。
世論調査では回答者の18%が部分的に斎戒する(たとえば肉を控え、禁酒する)と答えたが、全体としてアルコール飲料を節制しようと考えている人は30%、性生活を控えようと考えている人は15%、そして娯楽情報や娯楽そのものを制限しようと考えている人は19%という結果となった。タチアナ・シラムチェンコさんはロシアNOWからの取材に対し、「クリスマスの斎期と大斎期は守るようにしています。この期間は自分自身について、また周囲の人々、世界、神との繋がりについての思考に費やすべきだと考えているからです」と話す。
「最近、すべての規則に従って斎期を守るのが難しくなってきました。そして自分の内なる世界のことよりも食べ物のことをより多く考えていることに気がついたのです。そこで今年は禁じられている食品リストの食べ物を節制するのではなく、自分の大好きな食べ物を断つことにしました。甘いもの、焼き菓子、チーズです。肉や乳製品はもともとたまにしか食べません。そしてもちろん、それらすべてが何のためなのかということを思い起こすため、普段より頻繁に教会に足を運ぼうと思っています」
正教会は斎期をダイエットと捉えないよう注意を促す。サイト「正教会の世界」でマクシム・コズロフ長司祭は「わたしたちは大斎期にただ単に肉や乳製品、魚を食べないのではなく、斎戒のような小さな困難を通して自分の意志を強くし、神への忠誠、そしてわたしたちをこれから待ち受けるより大きな試練への準備があることを表しているのだ」と指摘する。
一方、正教関連のサイト「pravmir.ru」ではある信者から、大豆製品は食べてもよいかとの質問が投稿され、それに対し教会は「医療上の禁忌がなければ食べてもよい」と回答している。教会や修道院の売店では大豆製品、またソーセージやウィンナーが売られているのを目にすることがあるほどだ。しかし聖職者らは「ごちそうや自己耽溺を避け、量についても、また質についても節制する」ことが必要だと警告している。
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