アパレル業者がおろしや国を目指す

=タス通信撮影

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ロシアのアパレル市場は、不況にあえぐヨーロッパ市場と飽和状態のアメリカ市場を尻目に、存在感を増してきている。他の国では販売増加率が1~2%なのに対して、ロシアでは6~7%を見込めるからだ。ザラ(Zara)やエイチ・アンド・エム(H&M)などの世界的なアパレル・メーカーは、すでにロシア市場に参入しているが、新たに7社が今年加わろうとしている。

昨年も新たに11社参入

商業不動産コンサルティング会社マガジン・マガジノフによると、2012年にロシアでビジネスを始めたブランドは30社あり、うち11社が服と靴のブランドだったという。

2011年にはユニクロやバナナ・リパブリック(Banana Republic)も新店舗を開店している。この年、下着部門最大手のヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)も参入したものの、香水と化粧品の販売しか行わなかったため、多くの人を落胆させていた。今年初めにようやく同社の完全店舗の1号店が開店する予定だ。

市場調査でリスク減る 

ロシアのファッション業界コンサルティング会社エスパー・グループの取締役、ダリア・ヤデルナヤ氏は、大手のブランドに続いて、昨年は他のメーカーもビジネスの展開を始めたと話す。「ザラやエイチ・アンド・エムなどの大手メーカーが、ロシア市場の調査に費用をつぎ込み、試験的に活動しながら実績をつくりました。現在市場は安定し、情報が増え、透明性を増しているので、かつてのような冒険的な場所ではなくなり、慎重な会社が第一歩を踏み出せるようになったのです」。

昨年新たに加わったのは、スコッチ・アンド・ソーダ(Scotch & Soda)、モヒト(Mohito)、タッコ・ファッション(Takko Fashion)、オヴィエッセ(OVS)、マイケル・コース(Michael Kors)などだ。

再挑戦組も 

イギリスでもっとも歴史の長いデパート、ディベンハムズ(Debenhams)は、2006年に一旦ロシア市場に参入しながら撤退していたが、再参入を決定した。ステファネル(Stefanel)も2004年に参入し、パートナーを何度か変えて2011年に国内すべての店舗を閉鎖したものの、今回ザ・デニム・スター・プロジェクト(The Denim Star Project)という新たな販売業者と提携し、再挑戦することになった。

地方都市にも展開 

モスクワとサンクトペテルブルクは従来と同様、国際的なブランドが新店舗をオープンする拠点都市であることに変わりないものの、アパレル業者は他のより小さな都市にも目を向け始めている。マガジン・マガジノフのアナリストは、人口10万人以下の街で店舗を新規オープンしようとしている、マンゴ(Mango)を例にあげた。

総合不動産サービス事業会社ナイト・フランクによると、アパレル関連のさまざまな部門の15社が、ロシア市場に今年新たに参入することを発表しているという。うち7社はアパレルのビンバ・イ・ロラ(Bimba & Lola)、ジャック・ウルフスキン(Jack Wolfskin)、ユーレリア(Eurelia)、コレッツィオーニ・ファッション(Collezioni fashion)、ジャンフランコ・フェレ系列のフェレ(Ferre)、ニッサ(Nissa)、ピンク・ウーマン(Pink Woman)、3社はアクセサリーのメリ・メロ・パリ(Meli Melo Paris)、ファンキー・フィッシュ(Funky Fish)、ステラズ・アクセサリーズ(Stella’s Accessories)、1社は靴のフーマニック(Humanic)などだ。

記事全文(ロシア語)

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