写真提供:Suncor Energy / flickr.com
世界経済フォーラムとアメリカのアクセンチュア社が、「世界エネルギー構造機能指標報告2013(The Global Energy Architecture Performance Index Report 2013)」を作成した。これは、世界105ヶ国のそれぞれのエネルギー・システムがどれだけ経済の発展に貢献し、環境やエネルギーの安全にどれほど影響を及ぼしているかを評価する格付けだ。
もっとも進歩したシステムがあると評価された上位10ヶ国は、順番にノルウェー、スウェーデン、フランス、スイス、ニュージーランド、コロンビア、ラトビア、デンマーク、スペイン、イギリスだった。もっとも評価が低かったのはエチオピアで、下からタンザニア、リビア、モザンビーク、ネパール、モンゴル、バーレーンと続く。
ロシア27位、日本25位
ロシアは27位だった。BRICSの他の国はブラジル21位を除いてロシアよりも低く、南アフリカ59位、インド62位、中国74位だった。アメリカの順位も55位と低く、石油輸出国機構諸国もサウジアラビア82位、イラン96位などだった。日本は25位に位置した。
ロシアが比較的高い順位となったのは、資源輸出で電化水準が高くなったこと、原料の輸入に依存していないこと、輸出額の大きさ、発達した原子力産業が理由であると報告に記載されている。欠点は高いエネルギー消費原単位と低い排出基準だった。また、エネルギー・バランスでは石炭と重油の割合が低かった。
環境とエネルギー効率を犠牲に経済成長
急速に発展する産業経済は、資源大国と同様、国内消費を補助しながら、環境やエネルギー効率を犠牲にすることが多い。化石燃料補助金は2011年、30%増の5230億ドルに達したが、これは価格形成をゆがめてしまうと書いてある。サウジアラビアでは石油の国内価格がわずか10ドルだという。再生可能エネルギーへの世界の投資額は、補助金の5230億ドルに対し、2011年は880億ドルだった。ロシア国内のガス価格は税率で、石油は輸出税で維持されていると、ノモス銀行のアナリスト、デニス・ボリソフ氏は説明する。
多様で安くきれいなエネルギーめざし
エネルギー分野のシェアは、アメリカの4%に対して、ナイジェリアで30%、ベネズエラで35%、クウェートで57%だ。ロシア連邦国家統計局の2011年のデータによると、すべての有用鉱物の採掘量はGDPの9%を占めた。
また、エネルギー分野の構造は将来的に変わるという。2020年までにアメリカは最大の石油生産国になり、2015年までに中国はエネルギー消費原単位を16%削減することを約束しており、EUは2020年までにエネルギー資源需要を20%減らし、日本は2030年までに電力消費を10%減らす。
エネルギー構造変革の目的は、経済成長を刺激し、エネルギーの安全と平等な利用を保障することだと報告に記載されている。「多様化、安いエネルギー、きれいなエネルギーという3つの重要な条件を整備するために、時に何かを犠牲にしなければならない」。
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