G20組織委員会委員長のセルゲイ・イワノフ氏 =タス通信撮影
-なぜロシアにとって、G20の議長国になることがそれほど重要なのでしょうか。
G20は世界の経済大国がそろう非公式会議です。G20は世界GDPの90%、世界貿易の80%を占めていますし、これらの地域には世界人口の3分の1が暮らしています。
-この会議の準備に追加的な財政投資は必要ないのでしょうか。
特に大きな投資は必要ありません。その理由は簡単に説明することができます。G20とはいうものの、9月5~6日にサンクトペテルブルクで行われる首脳会議には、33の代表団が参加します。この会議の規模を拡大しながら、G20は世界GDPの90%を占めるものの、閉鎖的かつ排他的な高級なクラブではないということを示したいのです。国の発展レベルにかかわらず、あらゆる国に影響する世界経済の利益のために、さまざまな意見に耳を傾け活動します。また、大きな世界的機関の代表も招待します。G8よりも大々的ではありますが、コンスタンチン宮殿というインフラはすでにできあがっているので、特に投資は求められないのです。
-G20には他の国の意見をあまり聞こうとしない国も含まれています。ロシアは外貨準備高で世界3位か4位と言われていますが、例えばアメリカとの対話で、「われわれはアメリカ預託証券などの証券を買い、お宅の経済に投資するから、われわれの意見を聞いてくれないか、あれをやってもらえないか」などと要求してみてはどうでしょうか。
確かにおっしゃることには同意できます。アメリカ人は他から指図されることを嫌います。でもあらゆるアドバイスを拒否するわけではありません。アメリカは国際通貨基金で主導的役割を果たしていますが、先回のG20でも、BRICS諸国の経済成長を考慮に入れた、国際通貨基金(IMF)の投票権やそのもととなる出資額の変更の必要性について同意しています。
-約20年後の主な準備通貨はどのようになっているとお考えですか。
これは正確な答えを出すのはとても難しいです。サッカーの試合結果を予測するようなものです。アメリカドルであることは明白ですし、ユーロも多分そうでしょう。他にも準備通貨としてある程度検討できる通貨もあります。非常に信頼性の高い優れた通貨であるスイスフランやイギリスポンドです。
あとは日本円です。アジアの統一通貨の話があちこちで出ていますが、それが実現するなら、間違いなく中国元になるでしょう。ただ、中国元はまだ完全な自由通貨にはなっていないので、このプロセスにはまだ何年もかかります。
アラブ世界の地域通貨をつくる話も出ています。ロシアについては、ルーブルが主にCIS諸国で地域的な準備通貨となるチャンスはあり、その作業も進んでいます。関税同盟(ロシア、カザフスタン、ベラルーシ)の貿易は、一部ルーブルで行われています。また中国とも、ドルとユーロなどの主要な外貨の変動リスクを回避するために、ルーブル取引を始めました。これによりロシアの経済はより確固かつ信頼できるものになっています。
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