プーチン大統領が極東発展省を批判

=Vostock Photo/ロイター通信撮影

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ウラジーミル・プーチン大統領は、国家評議会の極東・バイカル湖以東地域発展に関する会合の席で、地方を国と一体化させるべく、ソ連時代にあらゆる手段が講じられていたように、現在も極東の確固たる発展を保障しなければならないと官僚に指示した。

財源は無駄に浪費されている 

地域経済・社会発展国家プログラムは、7月1日に採択されるはずだったが、現在にいたってもまだ手続きが完了していない。

「この地域発展のための財源は無駄に浪費されている」と大統領は述べ、プログラムの採択期限を遅くとも2013年第一四半期と定めた。また、この地域には豊富な森林、きれいな水、有用鉱物があることも改めて強調した。バイカル・アムール鉄道周辺地域の人々は、「いまだに住宅とは呼べないような仮設小屋で生活している」。

政府はここ数年、極東に多額の財源を充てている。「2010年に投じられた1兆1000億ルーブル(約3兆円)は前代未聞の額だ」と、ヴィクトル・イシャエフ極東発展相はその額の大きさを強調した。GRP(域内総生産)は国内平均よりも急速に伸びているものの、プーチン大統領は不十分だと考える。政府の課題は、この地域を資源の産地にとどまらず、国内有数の経済拠点にすることだ。

免税措置を提案 

大統領は自ら、新たに設立される生産工場(5億ルーブル≒13億円以上が投じられた製造会社)に対し、最初の10年間は利益にかかる連邦税を免税とするビジネスの税優遇措置と、国の補助金を充てて予算の地域差を補てんしながら地域的な税優遇措置をとることなどを提案した。それでも、「地域の発展には税の刺激策だけでは不十分」とも述べた。

大統領から叱責されて退陣したオレグ・ゴボルン地域発展相のように、イシャエフ極東発展相も大統領の批判を受けて辞任するのかという記者団の質問に対し、極東発展相はその可能性を否定し、今の課題は大統領の助言をしっかりと検討することだと答えた。

「短期間での成果は至難」 

政治工学センターのゲオルギー・チジョフ副所長は、発展がイシャエフ極東発展相自身にかかっているため、職を追われる可能性はないと考える。

「ゴボルン地域発展相が批判された時は、誰も辞任するとは考えていなかった。結局辞任の意思が固く、まわりの説得を受け入れなかったようだ。イシャエフ極東発展相は、長期間ハバロフスク地方の知事を務めていたし、たった1回の大統領の批判で過剰反応することはないと思う。イシャエフ極東発展相は批判を真摯に受け止め、仕事に反映するはずだ。とはいえ、極東の発展は難事で、最大限に努力しても、半年後か1年では、大きな成果をあげられるとは限らない」。

*RBCデイリー紙、フォーブス誌、ヴズグリャド紙の記事を参照。

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