30歳未満のためのモスクワ探索ツアー

「フリーツアーは、分かりやすいので、人気があります」 =Press Photo撮影

「フリーツアーは、分かりやすいので、人気があります」 =Press Photo撮影

若いツアーガイドとモスクワを歩いて、目標物を探し出したり、モスクワっ子にロシア語で尋ねたりする―こんなゲーム感覚のツアーがあるのをご存知ですか?

「モスクワゲームツアー」は、若者による、若者向けの革新的なツアーの一つだ。低コストまたは無料で、普通の観光よりも、地元の人々とのコミュニケーションを重視する。

ゲーム感覚でモスクワを探索 

ニキータ・ボグダノフさん(25)は、都心以外を探索することを奨励するために、2009年にモスクワゲームツアーを立ち上げた。ゲーム感覚のいろいろな“課題”が含まれていて、例えば、通行人に道を尋ねたり、ロシア語会話にトライしたりする。

「一カ所、どうしても見つからないところがありました」とモスクワの南東にあるツァリーツィノ公園(18世紀末にエカテリーナ2世が建てた離宮)で行なわれたゲームに参加したヴェーラ・バラノワさん(25)は言う。「人に尋ねたら、実はすでにそこの真上に立っていたことがわかりました」。

主要スポットの無料ツアーも 

ボグダノフさんは、キタイ・ゴロドからクレムリンまでの主要スポットの無料ツアーを提供するモスクワ・フリー・ツアーも運営している。このツアーは、ピークシーズンには毎日12人から40人を集めるが、ゲームツアーのほうは、週に一度か二度だけで、通常5〜10人どまりだ。型破りなツアーに申し込むように人々を説得するのは容易ではない。

「フリーツアーは、分かりやすいので、人気があります」とボグダノフさんは言う。「ゲームツアーの場合、それが何であるかをまず説明しなければなりません」。

テーマ・ツアーもいろいろ 

無料ツアーとゲームツアーに加えて、ボグダノフさんの会社は、毎日、様々な有料のテーマ・ツアーを提供している。ルビャンカ(旧KGBの本部)、強制収容所ミュージアム、ソビエト式の食堂、ソ連で最も豊かな食材を揃えていた食料品店「エリセーエフのお店」などをめぐる、レトロな共産主義ツアーもある。

ちなみに、「エリセーエフのお店」は、豊富な品揃えと徹底したサービスで有名だった、帝政時代のエリセーエフ商会が、革命後に国営化されたもの。今も食料品店として健在で、来年創業200年を迎える。

メトロツアー 

 訪問者はまた、メトロツアーで地下を探検することができる。このツアーは、モザイクで飾られたコムソモーリスカヤなど、モスクワっ子の好きなスターリン様式の地下鉄の中でも最も華やかな駅を訪れる。普通のポケットガイド以上の情報を観光客に与えようと、このツアーは、今まで何人の赤ちゃんが地下鉄で生まれたか、など、知る人の少ないマメ知識も提供する。

ガイドなしの観光客にとっては、モスクワを歩き回ることはチャレンジでもある。ここ一年で、名所旧跡や観光スポットを示す英語の看板がいくつか立てられたが、地下鉄や道路標示はキリル文字のままだ。

迷子を助けるワオ・ローカル 

「ここに来ると、迷子になりやすいです」。そう語るのは、ワオ・ローカルの主催者のイリーナ・トリパピナさん(25)。「我々は、観光客が迷子にならないように、手助けするボランティアのコミュニティをつくることで、英語情報の不足を補うことにしました」。

外国語と地理のテストに合格すると、ワオ・ローカルのボランティアは、「地元の人です、私に訊いてください」と書いてあるTシャツとバッジをもらえる。

「わーい、地元の人だ!」 

「観光客は、市内のどこでもいつでも、ワオ・ローカルと会うことができます。夜中のブートヴォ(モスクワ南部の郊外)でも」とトリパピナさんは言う。

 プロジェクトは、7月に始まって以来、400人程のボランティアをリクルートしたという。トリパピナさんは通勤の際、必ずバッジを身に着けていて、頻繁に外国人に道を尋ねられる。地下鉄駅を探しているロシア人にも声をかけられる。

 時折、ちょっと変わった質問をされることもある。「一回、イギリス人男性に、どこでペリメニを食べられるか訊かれたこともあります」。

 ワオ・ローカルは、探検ゲームやユースホステルでの会話クラブを通じて、地元の人と観光客に交流の機会を与えようとしている。「我々は、旅行者とボランティアを出会わせて、互いに助け合うことができるようにしたいのです」とトリパピナさんは説明する。

公式サイト 

モスクワゲームツアー:http://moscowfreetour.com/game-tour/

ワオ・ローカル:http://wowlocal.ru/