=PressPhoto撮影
「ロシアの人形劇場は保守的なので、このフェスティバルで、人形劇が子供向けの楽しみというだけでなく、さまざまな創作の形として見直してもらえればと思っています」とプログラム責任者のソーニャ・ドゥロワさんは語った。
日本的な魔法をかける
家族連れを対象とした優れた劇のひとつが、チェコに暮らす日本人監督、沢則行さんの作品「森の伝説」だ。沢さんは、人形、マスク、照明、陰、音楽を使いながら、ヨーロッパの童話に日本的な「魔法」をかけ、人形の伝統を加えて語る。また、このフェスティバルの一環として、マスター・クラスも行う。
検閲をかいくぐり
イランのヤセ・タンマムさんは、大人向けの人形劇「1まで数えて」を上演する。イランでは、人形劇は比較的検閲がゆるいため、職人らはさまざまなテーマの可能性を探ることができる。「1まで数えて」は、戦争と人間の人生の道に関するぐう話だ。平和な街の爆撃に参加することを拒んだ3人の軍のパイロットが、轆轤(ろくろ)の上に置かれた粘土を手でさまざまな形に変えながら、物語を表現する。
キーロフの劇場は、チェーホフの「六号病棟」にもとづいた「九号病棟」の人形劇を披露する。この劇で監督のボリス・コンスタンチノフさんは、人間と人形を対立させ、観客が人間ではなく、人形に共感するように演出する。
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