ダイヤモンドが出た

Getty Images/Fotobank撮影

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ポピガイ隕石孔

ポピガイのクレーターは世界で4番目に大きい隕石孔で、直径は約100㌔㍍に達する。この孔は約3500万年前に直径4~8㌔㍍の隕石の落下によって形成された。
最寄りの居住地であるハタンガ村はクレーターの中心から北西に約400㌔㍍の地点に位置している。

前世紀にロシア極北地方のポピガイ・クレーターで発見された超硬ダイヤモンド鉱脈の存在がこのほど公表された。

クラスノヤルスク地方とヤクート(サハ共和国)にまたがる隕石孔の鉱床で1970年代に発見されたが、ダイヤモンドの価格が暴落し、国の利益を損なわないようにするため長い間秘密にされていた。

ノボシビルスクの学者によると、ダイヤモンドの埋蔵量は数兆カラットで、世界総量の10倍に相当し、世界で3000年分のニーズを満たせるという。

このダイヤモンドは普通のダイヤよりも硬く、使用価値が非常に高いという。

地質鉱物学博士のアレクサンドル・ポルトノフ氏は、ロシア極北地方のポピガイ・クレーターで見つかった超硬ダイヤモンドの鉱脈が長期間秘密にされてきた理由について次のように語った。

「埋蔵量が非常に豊富なため、長いことインパクトダイヤモンドの探査は極秘に行われ、インパクトダイヤモンドが工業に利用できないことが判るまで秘密は守られていました。今ではその利用の可能性が云々されています」。

工業用ダイヤモンドの消費量は約50億カラットと大量だが、市場における原石の需要は小さいという。情報分析エージェンシー『ラフ・アンド・ポリッシュド』のセルゲイ・ゴリャイノフ評論員は、その理由を次のように分析している。

数字あれこれ

地下1.5km  

ポピガイのくぼ地ではインパクトダイヤモンド鉱床があちこちで露出し、この深さに達している。

第1位  

ダイヤの埋蔵量世界一はロシアで世界全体のほぼ60%を占める。ロシアの埋蔵量の約80%はヤクート(サハ共和国)に集中している。

1億2400万カラット弱  

世界全体のダイヤモンドの採取量。

3106カラット  

1905年に南アフリカで発見された最大のダイヤ『カリナン』の重さ(621グラム)。これから大きなダイヤが9個と小さなダイヤが96個作られた。

2430万㌦  

2008年、オークションでダイヤモンド『ビッテルスバッハ』 (35.56カラット=7グラム)が競り落とされた際の額。これが史上最高額。

「工業用ダイヤには合成ダイヤが市場に大量に出回っています。結晶体の合成がうまくいっているからです。そこが重要なポイントで、原石を採取してもそうした特性を持っているとは限りません。ダイヤ市場に占める原石の割合はかなり以前から減少しており、今ではほんの僅かです」。

ロシア科学アカデミー・シベリア分院・地質鉱物学研究所のニコライ・ポヒレンコ所長は『コメルサントFM』に対してこう語った。

「今回のダイヤは非常に珍しい特性を備えており、これまでに知られている普通のダイヤよりずっと硬く、自然界で一番硬いとみられています。このため、ツール産業、ボーリング、硬質な素材の加工などの分野で文字通り革命を起こすことができます。エレクトロニクス、光学、ありとあらゆる精密レンズの開発といった一連のハイテク部門で利用できるでしょう。豊かな将来性があり、デビアス社をはじめとする大手企業や中国の複数の企業が大きな関心を示しています」。

一言

ウラジーミル・マラーホフ氏、『ラフ・アンド・ポリッシュド』ロシア支部編集長  

産地の原料に市場はあまり反応しないかもしれません。騒がれるとしても秘密のベールがはがされたという話題性のためです。ジュエリーとしての品質を備えたものではないので宝石ダイヤ市場は安泰でしょう。

オレーグ・ドゥシン氏、投資会社 『ツェーリフ』 上席アナリスト

投資者探しと事業化調査に2年ほどかかり、立地を考慮すれば、地面をはがしたりインフラといった作業も1、2年を要するだろう。最初のダイヤモンドが市場に登場するのは2017年以降になるのではないか。

探査2年、極寒の地で発見 

ゲンナジー・セレデンコ氏、(シベリア連邦管区地質学情報地域フォンド主任技師・地質学者)の話  

1975年にクラスノヤルスクの地質学者たちがポピガイ産地の探査に出かけました。そこは正に非人間的な環境で、周辺はツンドラ、気温はマイナス50度。凍死しないようにテントを二つ重ねて張りました。  

飛行機か川伝いにしかその地へ到達することはできません。そうした厳しい状況の中で2年間探査をした結果、埋蔵量が非常に豊富で鉱物中のダイヤモンドの含有率がヤクートのダイヤモンドのそれに近い(1㌧当たり9・5カラット)『ウダールノエ』産地がそのくぼ地で発見されました。  

ただ、ヤクートのダイヤモンドはジュエリー用になるものを5~7%含んでいるのに対し、こちらのダイヤモンドは黒くて見映えのしない工業用のものでした。これが本当にダイヤモンドなのかどうかをエックス線で調べると青い炎が輝き出しました。