ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)のウラジーミル・ポポフキン長官 =アルチョム・ジテネフ/ロシア通信撮影
一番目立った失敗は、今年初めの「フォボス・グルント計画」の挫折だ。探査機が火星の衛星フォボスの土壌を採取して地球に戻るはずだったが、昨年末にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた探査機が、地球周回軌道からうまく離脱できず失敗した。
最近では8月7日に、プロトンM・ブリーズM・ロケット(Proton M / Briz M)の油圧システムの故障で、インドネシアの通信衛星「テルコム3(Telkom-3)」とロシアの通信衛星「エクスプレスMD2(Express MD2)」の2基が失われた。
人員のダブつきと生産性の低さ
ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)のウラジーミル・ポポフキン長官は、複数の技術系大学の学生の前で講演し、宇宙開発分野の現状を厳しく批判し、改革の必要性を訴えた。
ポポフキン長官の見解によれば、ロシアの人工衛星の競争力が低いのは経済的な要因による。例えば、露宇宙開発分野での年間一人当たりの生産性は、先進国の2分の1から4分の1の低さで、燃料、エネルギーが値上がりすれば、まっく競争力を失ってしまう。
同長官は、人員削減の必要性をとくに強調した。「現在、この分野で24万人以上も働いているが、我々の試算では、15万人~17万人で十分だ」。
「エネルギヤ」と「フルニチェフ」も統合へ
現在、ロシア政府では、2030年までの宇宙開発基本計画の調整が行われており、ポポフキン長官の講演はこれを踏まえている。
この計画によれば、ロスコスモスは、現在15ある研究・生産機関を7つに統合する予定だ。試算では、個々の機関の統合に要する期間は最長で18ヶ月。
そのなかで最大の機関となるのは、公開株式会社「ロシア・ロケット宇宙コーポレーション」で、ロケットの打ち上げ、エンジン、人工衛星にかかわるすべてを束ねる。軍事関係については、とくに注意が払われることになる。
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