マチルダ・クシェシンスカヤ=写真提供:タス通信 |
ニコライ二世の愛人だったバレリーナ
マチルダ・クシェシンスカヤ(1872~1971)は、イタリアをはじめとする外国のバレリーナを凌駕し、ロシア・バレエに栄光をもたらした名プリマの一人で、アンナ・パブロワ、タマーラ・カルサビナなどに道を開き、また多くの更新を育てた。
亡命先のパリでバレエ学校を開き、マーゴ・フォンティン、アリシア・マルコワ、タマーラ・トゥマーノワなどを教えている。
華麗な恋愛遍歴
しかし、何と言っても彼女が有名なのは、楽屋裏の恋のアバンチュールで、皇室ロマノフ家の複数の大公と恋愛関係になり、やがて皇太子時代のニコライ二世の愛人となった。
ロシア革命後は、フランスに逃れ、1921年にアンドレイ・ウラジーミロビッチ大公と結婚した。1929年にはパリにバレエ学校を開く。
1917年の2月革命後、クシェシンスカヤの豪邸は、ボリシェビキの本部となった。同年、フィンランドから帰国したレーニンが「四月テーゼ」の演説をしたのはそのバルコニーからだ。
彼女が最後に公衆の前で踊ったのは、コベント・ガーデンでの慈善イベントで、64歳のときだった。
消えた財宝
クシェシンスカヤは華麗な恋愛遍歴とコネを通じて、莫大な財産を蓄えたが、それらは革命後行方不明となっている。クシェシンスカヤ邸にあった彼女とロマノフ家の財宝は、未だにさまざまな憶測を呼んでおり、コンスタンチノフスキー宮殿(現大統領公邸)近くの別荘に隠されたとの説もある。彼女は死に際しても秘密を明かさなかった。
クシェシンスカヤは、1960年に自伝「Souvenirs de la Kschessinska」を出版している。
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