=タス通信撮影
モスクワ州林業委員会のエフゲニー・トルノフ委員長によると、具体的な場所は今年末までに決定されるという。ここでは、体験学校を開催したり、エコ道をつくったりする予定で、林業従事者などが案内役を務める。
一方で生態学者は、この“エコ”プロジェクトで森が今よりきれいになることはなく、逆に環境を破壊する可能性があると懸念する。
各2千平米の広さに東屋、児童遊園、ピクニック場、駐車場…
2012年7月1日、それまで国の管理下にあった2000ヘクタールの森林が、モスクワ州の管理下に移され、最初のプロジェクトが発案された。
湖沼岸を含む森のレジャー・ゾーンは、それぞれ2000平方メートルほどの広さとなり、東屋、児童遊園、テーブルやチェアーのあるピクニック場、トイレ、更衣室、防火帯や石で区切られたキャンプファイヤー場、駐車場などが用意される。
「森は汚しません」
トルノフ委員長は次のように説明する。「居心地が良くなるような条件を整え、ゴミ収集用設備を設置し、森を汚さないようにします」。今後は、需要に応じて、モスクワ州のあらゆる場所にこのようなゾーンがつくられる。森のエコ観光は、手始めに、エコ道の散策から始められる。「林業従事者自身が案内役を務める可能性もあります」。
また、森林体験学校を企画するという構想もあり、小雨の時にどうやって火を焚くか、森の奥深くでどうやって食料を確保するかなどを学べる。
とはいえ、森にエコ・リゾートを建設するわけではないという。「林業委員会が管理している領域では、大規模な建設が法律で禁止されています」とトルノフ氏は語る。
“バーベキュー・ゾーン”による森の汚染
モスクワ州自然保護協会のオリガ・バラバノワ調整役によると、今日、勝手につくられた「シャシリク(バーベキュー)・ゾーン」が、森の中に数千カ所存在しているという。「それをしっかりとまとめれば、東屋やピクニック場がなくなるでしょう。勝手に森の奥深くまで入って、ゴミも大量に捨てていくんですよ」。「シャシリク・ゾーン」がこれ以上未開の森に増えると、その領域は部分的に死滅してしまう可能性もあると言う。
ロシア旅行業協会のユーリー・バルズィキン副会長は、新たなレジャー・ゾーンができれば、モスクワ周辺から人が安定的に流れてくるようになり、レジャー商品や民芸品の販売が伸びるだろうと確信している。「オーストリアやドイツなどの西ヨーロッパでは、そのような実績があります」。計画されたレジャー・ゾーンには、キャンプ場の整備と、水や電気の供給が必要だと言う。「森に続くエコ道には、2~3泊の予定でグループを案内することも可能で、中南米ではとても人気があります」。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。