ロシアとモンゴル

ニヤズ・カリム

ニヤズ・カリム

APEC蚊帳の外
北東アジアには、アジア太平洋経済協力会議(APEC)プロジェクトとの地域的共通性にもかかわらず、それに加盟していない国家が2つある。モンゴルと北朝鮮である。
1990年の民主化の後、モンゴルは従来の同盟国であるロシアや中国から欧米、日本、韓国へ比重を移し(「第三の隣国」の構想)、世界的な金融制度(WTO、アジア開発銀行)との統合へ突き進んだ。
モンゴルがオブザーバーの地位を有している上海条約機構の正加盟国になりたがらない理由として、モンゴルの専門家らは再び露中の圧力にさらされるのではという政府の懸念を挙げている。APECの場合、そうした懸念はあたらない。APECは様々な引力の中心を有しており、もっぱら通商経済の自由化を目指している。
1990年代初め、ロシアはモンゴルをほぼ失った。ソ連支配の時代は幕を閉じ、モンゴルはロシアの表立った政治から姿を消した。

モンゴル回帰
2000年にロシアのモンゴル「回帰」が始まった。だが、ロシア不在の間に経済のすき間を外国の会社にうめられた。
石炭、金、銅、モリブデン、ウランの産地への投資に関するロシアのオファーは、一つの選択肢ではあるものの、唯一のものではないと受け止められた。
同様のオファーは、日本、中国、韓国、米国、その他の国からも寄せられていた。
コークス炭の推定埋蔵量が世界有数(65億トン以上)とも言えるタワン・トルゴイ炭田となれば、なおさらだ。しかも、安価な露天掘りによって石炭が採取できる。ロシア政府は開発独占権の取得に何度か失敗した。
モンゴルはもはや「ソ連の16番目の共和国」ではないことをロシアは悟った。2003年、ロシアはモンゴルに対するソ連の債務(約102億ドル)を帳消しにした。

APEC加盟支援か
2009年には、メドベージェフ・ロシア大統領とエルベグドルジ・モンゴル大統領が戦略的パートナーシップ宣言に調印した。モンゴルの天然ウラン(埋蔵量5万トン)を採取・加工し、輸出する露蒙合弁企業も設立された。
タワン・トルゴイ炭田について言えば、ロシア鉄道は競争入札に参加するためモンゴルと共同のコンソーシアムを形成した。
ロシアのモンゴル「回帰」は順調のように思われる。モンゴルのAPEC加盟について言えば、ロシアによる積極的なロビー活動が両国の利益となろう。

北朝鮮の場合は
北朝鮮のAPEC加盟の見通しはそう明るくはない。中露を除くAPEC共同体が北朝鮮の若きリーダーの参加を歓迎するとは思えない。他方、北朝鮮を袋小路へ追いやることは危険で非生産的だ。鉄道建設やガス供給の話は今日からでも開始する必要がある。

(「ロシアの声」抄訳)