ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領が、アストラハンでのハンガーストライキ、フェミニスト集団「Pussy Riot」をめぐるスキャンダル、検閲、ホドルコフスキー事件やその他の政治問題について、テレビジャーナリストらと対話した。=タス通信撮影
ドミトリー・メドベージェフ大統領の退任が近づくにつれ、ジャーナリストたちは同氏の任期の最終的な成果について総括し始めている。最近、大統領はロシア第一チャンネル、VGTRK(全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社)、NTV、REN TVやDozhdなどの、国内の主流テレビ局とのインタビューを受けた。
ジャーナリストたちは、経済、ビジネスや、同国の投資環境から政治、選挙後の抗議運動、検閲、汚職や教育に至るまで、最重要とされる問題について、同大統領と討論した。しかし、4月24日に彼が政府の職員に対して行った演説とは異なり、今回のメドベージェフ大統領のインタビューはより焦点が絞られ、具体的な問題や人物に関するものとなった。
アストラハンでのハンガーストライキについて質問されると、大統領は、これは大げさな報道ばかりで、「このハンガーストライキを行った人物たちは、しばしばあからさまに政治的な狙いを追及している」と回答し、「私は誰かを特に責めるつもりはないが、このハンガーストライキのゲームは、凡庸なハリウッドのブロックバスター映画を彷彿とさせる」と語った。
一方、「Pussy Riot」のメンバー拘束についての大統領の評価はもう少し控えめで、大統領は誰かを傷つけることがないよう十分配慮していると語った。「それに加担した人たちは、人気という達成目標を得ることができただろう」と述べた。
TCチャンネルにおける検閲騒動も、重要なトピックの一つだった。有名テレビジャーナリストのアレクセイ・ピヴォヴァーロフ氏は、政治的な検閲がロシアのテレビで日常的に行われており、テレビのレポーターがプロのジャーナリストとして自分の職務を果たすことができない、と訴えた。それに対し大統領は、「検閲はロシア憲法で禁止されている。検閲を行っているという何らかの証拠が存在するのであれば、それは政府による干渉の十分な理由になる」と述べた。
大統領は、ミハイル・ホドルコフスキー氏とプラトン・レベジェフ氏についても言及した。公式な請求手続きなしに彼らを恩赦する可能性について質問されると、そのようなことが実行されれば、ロシアの立法に矛盾することになると述べた。「憲法によれば、まず懇願が提出されるべきだ。懇願を受理してもいないのに、大統領がある人物を恩赦したとすれば、それは彼の無罪放免を追求する権利を侵害することになる」。
懇談では、下院選挙および大統領選挙後の抗議運動と不正行為の問題についても言及された。メドベージェフ大統領は、抗議運動家たちに誠意を持って対応したとし、また彼らの要求はきわめて正当なものだったと述べた。その上で、「街角に繰り出し、意見を声に出して表明した人たちに、私は敬意を表する」とも述べた。
選挙中の不正行為について言及されると、メドベージェフ大統領は、問題を未然に防ぐような体制づくりを提案した。「これは将来の政府の課題だ。違反行為が最小限に抑えられるような状況を創出すべきだ」。
内務省改革についての質問も出た。大統領によると、この改革はまだ初期段階にあり、完結するまでにまだ時間と労力を要するという。軍の改革については、徴兵制によって構成されるロシアの軍隊は、よりプロフェッショナルになるべきだとの考えを繰り返した。「現在、軍隊の招集制度は変革を遂げつつある」という。大統領によると、ロシア軍の職業軍人の割合を85%まで増やす必要があり、同時に15%の徴兵制による徴用も維持しなければならないという。
ロシアの外交政策、特にロシア・グルジア関係についても言及された。ロシアとグルジアの間には緊密な文化的・歴史的関係があり、ロシアはグルジア人とポジティブな個人的関係を維持しなければならない、と大統領は述べた。同時に、ロシアはグルジア大統領ミヘイル・サアカシュヴィリと意見を異にしているとも述べた。「我々は彼(サアカシュヴィリ)の後継者と協力する準備ができている」と、メドベージェフ氏は付け加えた。
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