チュメニ近郊で航空機墜落

=ロシア通信撮影

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チュメニ近郊で「UTエアー」のATR 72型旅客機が墜落し、31名が死亡した。

ロシア通信によると、ロシアの民間航空会社「UTエアー」のATR72型旅客機が4月2日午前5時50分(モスクワ時間)、モスクワから東に2100キロに位置するチュメニのロシノ空港を離陸後、約40キロを飛行した後に墜落した。チュメニからスルグトに向かう予定だった同機には、乗務員4名を含む43名が搭乗していた。モスクワ時間正午現在のデータによると、乗務員全員を含む31名が死亡。なお、子供は乗客の中に含まれていなかった。このうち、同機に乗り遅れた乗客が1名生存しているとの情報もある。


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離陸後すぐに同機との交信は途絶えた。墜落直前、機体のエンジン部分から煙が出ていたとの目撃情報もある。救助隊は同機のブラックボックスを回収。救助作業は既に終了し、犠牲者、生存者ともに搭乗者全員が見つかっている。

ロシア連邦中央捜査部調査委員会はこの事故を、刑事事件として捜査する方針だ。事故原因はパイロットの操作ミス、技術的欠陥の両面から調査される。捜査当局は既にチュメニ空港の技術的証拠を押収し、目撃情報を集めていると発表した。また、気象庁によると、事故当時の空港付近の気象状況は良好で、天候が事故の原因になったとは考えにくいという。

今回の事故を受け、メドベージェフ大統領はスケジュールを変更し、野党代表との会談は4月3日火曜日に延期された。

ATR 72型機は、イタリアとフランスの航空機メーカーが合同で開発した、ターボプロップ双発型の中距離旅客機である。平均的距離を飛行する場合、乗客数74名として設計されている。アメリカン・イーグル航空やイギリスのキングフィッシャー航空、アルキア・イスラエル航空、セルビアのJat航空などによって運航され、広く世界を飛んでいる。

今回墜落した航空機は、20年近くの飛行歴を持っていた。初飛行は1992年10月20日にトランスアジア航空(復興航空)によって行われている。その後フィンランド航空として飛行した後、2008年にUTエアーが同機を購入。なお、ATR型機はこれまでに犠牲者を伴う事故を5件起こしている。そのうち最近のものは、2010年11月にキューバで起きている。

UTエアーにとって、これは初めての事故ではない。2007年にも同社のツポレフ134型機がサマーラのクルモチ空港で着陸失敗事故を起こし、6名が亡くなっている。また、同社のヘリコプターもこれまでに3機墜落しており、計12名が命を落としている。

昨年は世界全体で28件の航空機事故が発生しているが、そのうちの6件がロシアで起きている。世界全体で507名の死亡者のうち、97名がロシアで亡くなっている。昨年9月にアイスホッケー・ロシアリーグの「ロコモチーフ」チーム全員を乗せた航空機がヤロスラヴリ近郊で墜落し、大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。