トヨタがサンクトペテルブルク工場に27億ルーブルを投資

サンクトペテルブルグのトヨタ工場は2007に建設された。=PhotoXpress撮影

サンクトペテルブルグのトヨタ工場は2007に建設された。=PhotoXpress撮影

トヨタ自動車は2015年までに、ロシアにおける現地化を2倍の30%にまで引き上げる意向で、すでにサンクトペテルブルクではプレスと樹脂成形の生産工程の追加準備を始めている。また、行政筋によると、トヨタは「カムリ」に加え、2台目の車種の生産を開始しようとしているという。

トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア(TMMR、トヨタ自動車サンクトペテルブルク工場)が、新しい2工程の建設に27億ルーブルを投資する。昨日工場が発表したところによると、その第1は車体全体のプレスを行う工程で、第2は樹脂成形の工程であるという。新工程が稼動するのは2014年からで、その目的は現地化を現在の15%から、同社と経済発展省が締結した産業組立協定で求められている30%まで増やすことだ、と同社の代表は言う。現地化の拡大は、その他の補充業者によっても行われる予定で、現在同社は納入業者らと交渉中という。だが、ロシアでどんなコンポネントの生産が行われるのかについては、明らかにしなかった。

トヨタ自動車サンクトペテルブルグ工場の年間生産能力は、2007年で5万台だった。同工場が生産している唯一の車種はセダンの「カムリ」(価格は103万ルーブル=日本円で約267万円)で、昨年は1万4千131台の「カムリ」が組み立てられた。同社はロシアで「カムリ」のために、座席シート、自動車ガラス、バッテリー、安全ベルト、撚線などを仕入れている。

 だが現在、この工場はもう一つの車種の生産準備を進めている、と自動車産業監督官庁職員2人が「ヴェドモスチ」紙に述べた。現在の生産台数なら、プレス工程の追加を行う意味はないが、投資回収率から言えば、自動車生産を増やす必要がある、という。また、新車種は「カムリ」より廉価なものになるだろうと語ったが、具体的な車種名は挙げなかった。

かなり高価なプレスと樹脂成形の工程の追加により、トヨタは生産の現地化レベルを必要な30%まで上げることができる、とアーンスト・アンド・ヤング社ロシア事務所長のイワン・ボンチェフ氏は言う。同氏は、トヨタ自動車はロシアでかなり高価な車種の生産を準備しており、「新車種」もかなり高価になる公算が大きい、と考えている。こうした自動車のプレス工程には年間生産5万台の工場で十分だが、トヨタはその規模を拡大させることが出来る、と専門家は指摘する。

トヨタ自動車は、現在ロシアで「カムリ」よりも廉価な車種をいくつか提案している。セダン車種の「カローラ」(62万9千ルーブル=約161万円より)、「アベンシス」(96万4千ルーブル=約247万円より)、ハッチバック車「オーリス」(67万500ルーブル=約172万円より)、小型ミニバン「ヴァーソ」(84万3千ルーブル=約217万円より)、クロスオーバー車「ラヴフォー」(96万8千ルーブル=約248万円より)などだ。おそらくトヨタ自動車は、「ラヴフォー」の組立を始めようとしているようだ。これはかなり高価な車種だが、ロシアでのクロスオーバー車の人気は増え続けると、ボンチェフ氏は予測する。2011年に「ラヴフォー」はロシアで最も人気のあるトヨタ車種になり、2万7千206台が販売された(2010年の65%増の台数になる)。

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