エヴゲニヤ・メドヴェジェワ(左)とエレーナ・ラジオノワ(右)=
ロイター通信ロシアでもっとも有望なフィギュアスケート・ペア、五輪金メダリストであるクセニヤ・ストルボワとフョードル・クリモフ組がこの秋、氷上に舞い戻った。休養期間は8ヶ月。この間、ジュニアで圧倒的な強さを誇ってきた中国の于小雨と金揚組が成長していた。カナダのメーガン・デュアメルとエリック・ラドフォード組は、トレンド・セッター(流行創造人)としての強さを増した。力強い復活ぶりを印象付けたのは、ベテランの川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ組。トレンドになったのは、4回転ツイストリフトとスロー。
このような現実において、ストルボワ&クリモフ組はなかなか勝てないのではないかと思われた。4位に終わったGPシリーズ開幕戦「スケート・アメリカ」は、その証明のようだった。だがGPロシア大会ですべてが変わった。きれいに優勝し、バルセロナへは自信をもって出発。2人はファイナルで、すべての要素を見事にこなした。それは4回転など必要としない質であった。
ロシアのフィギュアスケート界では、優れた選手が次々と登場している。五輪金メダリストのリプニツカヤとソトニコワは予期可能だった身体の成長期の問題に直面したが、入れ替わるように新しい若手が何人もでてきた。バルセロナに来たのはそのうちの2人、16歳のエレーナ・ラジオノワとエフゲニヤ・メドベージェワ。どちらもメダルを獲得したが、金メダルを手にしたのは、スケート・アメリカと同様、メドベージェワであった。
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現在のヒロインの後ろには、14歳のポリーナ・ツルスカヤ、15歳のマリヤ・ソツコワ、13歳のアリサ・フェディチキナなど、さらに複数の女子選手がいる。
「リスト上には現在、約8人の女子選手がいる。誰もが難しいジャンプをこなせる。この状況において、ただきれいに飛べるだけでは不十分。きらびやかな個性、ぴったりの演出、新たな発見があって初めて、トップに立つことができる」とタチヤナ・ミシナ・コーチは話す。
GPファイナルの男子シングルの結果は、ロシアにショックを与えた。闘いは「宇宙の高さ」でくりひろげられ、そこまで到達できたロシアの選手はいなかった。世界ランキング4位のセルゲイ・ボロノフ、6位のマクシム・コフトゥンであるが、両者ともパーソナルベストは255点にも満たない。これはバルセロナ大会の下位の点数に届いていない。ちなみに、GPファイナルで優勝した、五輪金メダリストの羽生結弦は、330.43点をだしている。
ロシアにとって今シーズン前半は落胆するものだった。バルセロナで、五輪金メダリストのエカテリーナ・ボブロワとドミトリー・ソロビヨフ組はまったくミスをしなかったが、順位は5位に終わった。ライバルたちはもっと鮮明で正確に見えた。
有名な振付師ヴァレンチン・モロトフ氏はそれでも、ロシアにはすぐにでも結果をだしうる有望なペアが複数存在すると考えている。そのようなペアとしてあげるのは、ヴィクトリヤ・シニツィナとニキータ・カツァラポフ組。バルセロナ行きの切符を、追加的指標だけでボブロワ&ソロビヨフ組にゆずることになってしまったペアである。「2人は他のロシアのペアよりも勢いよく伸びている。ニキータは優れたパートナーで、彼を背景にすると、ヴィクトリヤのようなソフトで繊細な花が鮮明に光り輝く」
トップスターたちの勝利の影で、サンクトペテルブルクのチーム「パラディス」がシンクロナイズド・スケーティングで金メダルを獲得していたが、注目されることはなかった。ちなみに、これはロシアのシンクロナイズド・スケーティング史上、初の大勝利である。これまでの最高は2015年世界選手権の銅メダルであった。「パラディス」は21年前、女子シングルで成功できなかった選手が、新たな種目でキャリアを継続できるよう、創設された。バルセロナでこの”非成功者”たちは、異なる年の世界チャンピオン3チームを打ち破った。そこには現チャンピオンのカナダ・チーム「ネクシス」もいた。
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