メドベージェワはスケートアメリカで、地元の人気選手グレイシー・ゴールドをおさえ、見事優勝した。これにより、今シーズンの女子シングルのトップへと駒を進めた。
1.姿勢を直すためにスケート場に連れていかれた
フィギュアスケートを始めたのは3歳の時。母もフィギュアスケートの選手だったが、娘にやらせたのは受け継がせるためではなく、何よりも姿勢を直すためだった。
「ママは自分が滑っていたからフィギュアスケートをさせたわけじゃなくて、それもあったけれど、私の姿勢があまり良くなかったからさせた。肩甲骨はまだ突き出ているけど、フィギュアスケートが私の外見を整えてくれたみたい」と、メドベージェワはロシア・フィギュアスケート連盟広報部に語った。
2.憧れの選手は2度の五輪金メダリストのプルシェンコ
「ある時、エフゲニー・プルシェンコの演技を見て、あんな風に滑りたいと思った。他の競技に魅かれたことはない」とメドベージェワ。
3.リプニツカヤと一緒に練習
2014年ソチ冬季五輪で赤いコートを着て「シンドラーのリスト」を演じたユリヤ・リプニツカヤに、世界中が恋をした。メドベージェワは、五輪の金メダリストと同じ氷上に立ち、同じコーチに教えてもらっていることをどう感じるかと、聞かれるようになった。
このような挑発的な質問に対し、メドベージェワはまだとても若いにもかかわらず、とてもうまく、教養のある回答をしている。
「私は常に自分の道を歩んでいる。ユリヤのことは嬉しい。けれど私自身がまず自力で成功しなければ。スケート場の外では皆と交流している。普通に陽気に楽しんだり、おしゃべりしたり、関係は良好。氷上では一定の競争があるし、駆り立てられるけれど、私たちの間で敵意が生じたことはないし、これからも生じない」とメドベージェワ。
アレクサンドル・ヴィルフ撮影/ロシア通信
4.今のフリーをリプニツカヤが演じていた可能性も
この驚きのいきさつについて語ったのは、アイス・ショーのプロデューサー、ソルトレイクシティ冬季五輪の銀メダリスト、振付師であるイリヤ・アベルブフ。
「この振り付け案は去年リプニツカヤに提案されていた。ユリヤにとても似合っていた。かなり早期にプログラムを完成させたが、ユリヤのママがこれで滑ってはいけないと。結局プログラムを変更することになった。この案がお蔵入りにならなくて良かった。エフゲニアがプログラムに息吹を与えてくれたことにとても感謝している」とアベルブフ。
5.手をあげるジャンプ・スタイル
メドベージェワは「手をあげて」ダブルアクセル(「スケートアメリカ」のフリーでは転倒したが)、ルッツ、フリップ、ループを飛ぶ。ループは不安定なため、まだプログラムには含めていない。両手をあげるジャンプも試しているが、片手の方が自信を持って滑れるようだ。困難度をあげたエレメントに対する加点はやはり大きい。
メドベージェワは、ジャンプの技術の拡大に独自の視点を持っている。アクセルは自分のジャンプではないと、何度も話している。そのため、世界チャンピオンのエリザヴェータ・トゥクタムィシェワや3度の世界チャンピオンの浅田真央など、限られた選手しかできないトリプルアクセルの練習を行っていない。メドベージェワは同様に難しい4回転サルコウを加えて、ジャンプの組み合わせを完成させようと計画している。
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