モスクワ・シティ:ロシアの首都にあるビジネスセンターにある驚愕の事実7つ

観光・自然
ユリア・アファナセンコ
 眼を見張るような摩天楼群は驚くべき秘密に溢れている。

1. 綱渡りのギネス世界記録

 この記録は、ロシア、ドイツ、フランス、カナダの7人のアスリートによって2019年9月8日の「モスクワ・シティの日」に作られた。渡り綱は超高層ビル、「OKO(Eye)タワー」と「ネヴァ・タワー」の間の地上350㍍のところに張られた。2つのビルの間は245㍍の距離がある。

最初に渡ったのはドイツから来たフリーディ・キューネ。彼はただ綱を渡るだけでなく、命知らずのパフォーマンスを成功させた。彼らの記録はメキシコシティで2016年に打ち立てられた記録を103㍍更新した

2. ヨーロッパでもっとも高い超高層ビル10棟の多くが集中している

 ヨーロッパでもっとも高い超高層ビル10棟のうち、実に7棟がモスクワ・シティにある。「フェデレーション・タワー」コンプレックスの「イースト・ビル」は、最初のうちはヨーロッパで一番高かった。

 しかしながら、2018年、サンクトペテルブルクに高さ462㍍の「レフタ・センター」が完成し、「イースト・ビル」(374㍍)を2位に押しやった。3位は「OKO」のサウス・タワー(354㍍)。4位は高いほうの「ネヴァ」タワー(345㍍)、5位は「マーキュリー・シティ・タワー」(339㍍)、6位はイギリス、ロンドンの「シャード」ビル(310㍍)、7位は「ユーラシア」タワー(309㍍)、8位は「ゴロド・ストリッツ(首都の町)」の「モスクワ・タワー」(302㍍)、9位はドイツ、フランクフルトにある「コメルスバンク・タワー」(298㍍)、そして10位が低い方の「ネヴァ・タワー」(269.9㍍)である。

3. 実現しなかった「ロシア・タワー」

 モスクワ・シティーの建設計画がすべて実現されていたら、サンクトペテルブルクの「レフタ・センター」がヨーロッパ最高の超高層ビルになることはなかった。モスクワ・シティのコンセプトをデザインした建築家、ボリス・トホールは「ロシア・タワー」をもっとも高いビルにする計画であった。これは、600㍍の高さを持つ金色の円柱形の建物で、ロシアの伝統的鐘楼のように尖塔を持つはずだった。後にこの事業はイギリスの有名な建築家ノーマン・フォスターによって設計し直され、「ロシア・タワー」は尖塔を持つピラミッド型になった。ビル自体は612㍍の高さで、尖塔部分を含めると744.5㍍に達する予定だった(比較のために書くと、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」はわずか83.5㍍高いだけになるはずだった)。残念なことに、2008年の経済危機のため、投資家たちにも問題が起こり、超高層ビル「ロシア・タワー」は建設されることはなかった。建設される予定だった場所には2019年にショッピングモールと「ネヴァ・タワー」が建設された。

4. 姿を変えた「フェデレーション・タワー」

 当初の計画では、「フェデレーション・タワー」はマストと帆を持つ船に似せて設計されていた。マストの先端にはガラス製の尖塔があり、2つのタワービルを結ぶいくつかの通路がつけられる予定だった。またマストには高速エレベーターが備え付けられる計画で、尖塔の最上部には展望デッキが作られる予定だった。しかし、建設の途中でこの船はマストを失ってしまった。「インペリア・タワー」にあるモスクワ・シティ博物館の専門家によると、この尖塔の建設が中止された理由は、第1に、火災時の安全上の理由であり、第2に、ヘリコプターに危険を及ぼすためだと言う。ガラス製の尖塔が太陽の光をチラチラと反射して、ヘリコプターのパイロットの視線を妨害する可能性があると言うのだ。そして、半分程度建設されていたにもかかわらず、取り壊された。しかし、展望デッキは「イースト・タワー」内につくられた。

5.「フェデレーション・タワー」の窓は開けることが出来る

 通常、ビルの高層階の窓は開くことが出来ないことはよく知られている。専門家によると、それは実際、人の安全を考えてのことではないと言う。高いところから落ちると危険なことはどのビルでも同じことであるからだ。本当の理由は換気システムにある。超高層ビルでは、換気は機械機構によって管理されている。それでビルの中は独自の気候を維持している。しかし、「フェデレーション・タワー」の「ウエスト・タワー」では、窓を開けることが出来る。タワーの62階と最上階は「シックスティ」と言う名のレストランが入っている。そこの窓には特別な油圧システムを備えており、わずかの時間だが、窓はクラシック音楽とともに開き、客はモスクワの息を飲むような写真を撮ることが出来るのである。

6.「フェデレーション・タワー」の割れたままのガラス

 「ウエスト・タワー」の最上階にあるレストラン「シックスティ」の客は、窓ガラスにひびが入っているのを見て驚く。このようなガラスが特殊なタイプものであることを考えれば、これは極めて奇妙なことである。これらはとても硬いガラスで出来ていて、適切に据え付けられれば、ひびが入るはずがないのだ。例えば、どんな重いものを投げつける実験をしてもガラスにひびが入ることはない。「ウエスト・タワー」のひび割れたガラスは輸送の途中ですでに損傷していたのである。ビルのガラスは建物のなだらかなカーブに合わせてそれぞれが異なった形状をしているため、あらたにそれにあった窓ガラスをロシアに運んでくるにはとんでもない費用がかかる。さらに、投資家たちは財政的な問題(繰り返すが、2008年の経済危機のため)を抱えていた。そのため、「イースト・タワー」は数年もの間、未完成のままであった。そして最終的に、ひびの入ったガラスが窓にはめられることになったと言うわけである。

7. ヨーロッパでもっとも高いところにあるレストラン

 「Birds(バーズ)」はモスクワ・シティにあるもう1つのレストランで、その場所が素晴らしく、「OKO」タワー・コンプレックス、サウス・タワーに2019年にオープンした。そこを訪れた客は、336㍍の高さからの素晴らしいパノラマを楽しむことが出来る。1月28日には、「ロシア・レコード・ブック」の専門家が「バーズ」をヨーロッパでもっとも高いところにあるレストランに認定し、ギネス世界記録登録申請のための第1ステップとなった。

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