ウラジオストクの美しい建物10選(写真特集)

Legion Media
 もちろん、ウラジオストクで最も美しいものと言えば、自然、火山、素敵な橋、ロマンチックな灯台の景色だろう。だが旅行者は、この街にとても多様な美しい建築があることに新鮮な驚きを覚えるだろう。

1. 鉄道駅 

 多くの人がシベリア鉄道で旅をすることを夢見ているだろう。旅を全うした人をフィニッシュラインで迎えるのが、このモダニズム建築の鉄道駅だ。1910年から1912年に建築家ウラジーミル・プランソンの設計で擬ロシア様式の建物に建て替えられ、現在の外観になった。シベリア鉄道の始点、モスクワのヤロスラヴリ駅と共通の構造を持たせるためだった。

 

住所:アレウーツカヤ通り2番

 

2. 中央郵便局 

 帝国の東端の街の主要な問題の一つが、郵便網の確立だった。そのため帝政期には郵便電信機関は市当局にとって優先度の高いものだった。郵便局の建物もまた、市の中心にある擬ロシア様式建築の一例だ。1890年代にポーランド系ロシア人建築家アレクサンドル・グヴォズジオフスキーの設計で建てられた。この建物には現在もロシア郵便が入っている。

 

住所:スヴェトランスカヤ通り41番

 

3. 百貨店「クンスト・アリベルス商館」 

 ウラジオストクは1860年にその礎が築かれたが、都市開発事業が隆盛したのは1880年代のことだった。商業ブランド「クンスト・アリベルス」を創設したドイツ人商人らは、真新しい街に商売をしに来て、すぐにメインの店を構えた。ただし、最初は一階建てで木造だった。やがて彼らは極東各地に数店舗の商店と支店を持つようになった。1900年代、若きドイツ人建築家ゲオルク・ユングヘンデルが彼らのために、街の主要な通りの一つ、スヴェトランスカヤ通りにアールヌーボー様式の大きな建物を建てた。ここは現在も百貨店だ。

 

住所:スヴェトランスカヤ通り35番

 

4. アムール地方研究会の貸し家 

 スヴェトランスカヤ通りにあるもう一つのアールヌーボー様式の建物は、アムール地方研究会のために1912年から1914年に建てられた。これは複数の部屋から成る貸し家だった。一時期、地階にはキャバレーがあった。ソ連時代には一部が映画館に、一部が科学研究所の研究室になった。その後科学アカデミーの極東支部の所有物となり、現在も科学アカデミーの建物として使われている。

 

住所:スヴェトランスカヤ通り50番

 

5. ルター派のウラジオストク聖パウロ教会 

 この教会は、街に現存する中で最も古い寺院と考えられている。ちなみに、設計を手掛けたのは、先述のドイツ人建築家ゲオルク・ユングヘンデルだ。彼は北方ゴシック様式にインスピレーションを得たのだった。商社「クンスト・アリベルス」がかなりの額の建設資金を出した。1990年代、教会は復活したルター派団体の手に戻された。

 

住所:プーシキンスカヤ通り、14番

 

6. ブリネル邸 

 1913年、ロシアにすっかり帰化したゲオルク・ユングヘンデルは、この街にもう一つ、ロマン主義的なアールヌーボー様式の建物を残した。邸宅を注文したのは、ロシア臣民となってウラジオストクに土地を買ったルター派の絹商人ユリウス・ブリネルだった。ちなみにハリウッド・スターのユル・ブリンナーは彼の孫で、この屋敷で生まれた(屋敷の前にその像が立っている)。

 

住所:アレウーツカヤ通り15番B

 

7. カトリックの聖母教会(ウラジオストク)

 この新ゴシック様式の教会は、長らく極東で最大のカトリック寺院だった。中央郵便局を手掛けたグヴォズジオフスキーが設計した。教区信徒は主にポーランドからの移民だった。ソ連時代には教会は閉鎖され、国家公文書保管所に移管されたが、1990年代に復活した。丸屋根の鋳造にはポーランドのカトリック信徒らが寄付金を出した。

 

住所:ヴォロダルスキー通り22番

 

8. 東方研究所 

 研究所はウラジオストク最初の高等教育機関の一つだ。ここでは周辺のアジア諸国、すなわち中国や日本、韓国との交流・貿易の専門家が養成され、東アジアの言語や文化、さらには日本の柔術までもが教えられてきた。建物の様式は極東古典主義と呼ばれており、新帝政様式と新ルネサンス様式、さらに多くの擬古様式が融合している。

 

住所:プーシキンスカヤ通り10番

 

9. 番頭集会(プーシキン劇場)

 1907年から1908年に、パーヴェル・ヴァーグネルの設計で、東方研究所の真向かいに、アールヌーボーと新ゴシックを融合した折衷的な建物が建てられた。当初ここには図書館、クラブ集会や芸術夜会の会場、並びに劇場があった。現在ここでは極東大学の学生らがアマチュア演劇を上演している。

 

住所:プーシキンスカヤ通り27番

 

10. 沿海地方海洋水族館

 このリストの中で最も現代的な建物が、沿海地方海洋水族館だ。ルースキー島に2016年に建設された。上から見ると波間の貝殻のような形をしている。3万7千平方メートルの敷地に数多くの水槽があり、百種以上の魚類や貝類が展示されている。ロシア極東に生息する種が中心だ。

 

住所:アカデミク・カシヤノフ通り25番

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