外国人はロシアをどう見ているのか?

観光・自然
エカテリーナ・シネリシチコワ
 外国の人たちが抱くロシアのイメージは必ずしも現実と一致するわけではない。しかし、国のイメージというのは他でもないそのような事実とは異なる意見から作られることが多い。ロシア・ビヨンドが外国の人々がロシアやロシア人に対して持っているイメージをまとめた。笑いを誘うものあり、議論を呼ぶものあり、そして少し傷つくものもある。

混乱しないで

 「ロシアには相当な“クソったれ”がいる。そこまで汚くない別の言葉を使うこともできるかもしれないのだが、それでは不正確だと思う。こう言えば十分だろう―アメリカ人の中にも、人口相応にややこしい人間もいるが、ロシア人に比べれば、並べられたカップケーキのように同じようなものだ」。(Joe Taylor)

 「ロシア人についてのミームと言えば、「戦闘民族」。ロシア人は、なんでも良いから、いつでも戦うための理由を探しているようである。(Bo Sun)

 「しかし、ほとんどの中国人にとって、ロシア人というのは詩を書く兵士のイメージだ」(Toestos Hook)

 「1223年のモンゴルの軛以来、ロシアへの侵入に成功した国はない。多くの国がそれを試みたが、彼らは焦土作戦と輸送の問題という2つの問題に巻き込まれた(スウェーデンのカール10世、ナポレオン1世、そしてヒトラーも)。(Ryan Jiang)

 「すべてがハリウッド映画のよう」。(Halfman Huang, China)

食べ物はそれほどおいしくない

 「わたしはロシア人と結婚した英国人。まず、ロシア人は最初、ロシア料理なんてものはなく、あるのはウォトカに合う食べ物だけだと半ば冗談で言う。次に、ロシアの食べ物は(他の料理もすべてそうだが)神がかっておいしいものから、「これ何だよ?!」というものまでさまざまだ。ウハーという魚のスープがあるが、これは「これ何だよ?!」カテゴリーに入る。あらゆるところでこのスープを勧められたが、それはグレーの液体の中に、何かよく分からないものと魚の骨が入っている料理だった。そしてその骨はまさにマンガの中でネコが食べているような形をしているのだ」。(Sean Clitheroe)

 「ロシアで食事をするというと、ジャガイモか鶏肉で、何か味気のない料理に入っているのだが、それが死ぬほど茹でてある。一体何か分からないほどに。あるいはカーシャ(粥)のようにバターかクリームに浮いている。そしてもっとも最悪なのが、オクローシカというスープ。申し訳ないが、クワス(麦芽の発酵飲料)とケフィール(バターミルクのようなもの)は絶対に一つの料理に使うものじゃない」。(Naï Damato)

 「わたしが食べたロシアの料理は、同じくニシンとマヨネーズを大量に消費するスウェーデンなどの国のものと同じくらい最悪」。(Brian Dong, California)

女性は美しいが、男性はそれほどでもない

 「太った毛むくじゃらの中年男性に、ハル・ベリーのような美しい年齢の重ね方をしている美人という40代、50代のカップルをよく見かけて困惑した。若いカップルの中でも、外見のひどい粗野な男性がスーパーモデル並みの女優とデートしているということが多かった」。(Ryo Yokoe, Japan)

 「わたしは英国人で、彼女がウクライナ系ロシア人。彼女は本当に美しい。わたしも彼女もeHarmonyという人気のデートサイトを使っていて、彼女の家の近くにあるバーで最初、待ち合わせたのだが、彼女が店に入ってきたのを見たときには、“めちゃくちゃきれいだけど、わたしが約束した女性にしては美しすぎる”と感じた。その後も自分の相手を探し続けていたが、彼女がわたしの目の前に立つまで、その超美しい女性が自分の相手だと気づかなかった」。(Andrew McLeish)

芸術は本当に素晴らしく、豊かである

 「中国人ならほとんどの人が、ロシアの歌や詩、小説を知っている。ロシアのメランコリックな歌の多くは、まるで屈強な男が優しい言葉を囁いているようだ」。(Xiao Lin)

 「ロシアの言葉は素晴らしい。ドストエフスキー、ソルジェニーツィン・・・、多くの作家が心に突き刺す文章を書く。子供のときにロシアの諺と格言という薄い本を読んだが、わたしのお気に入りは「犬のために英雄である者は主」と「半斤のパンはパンだが、半分の真実はうそである」というものであった」。(CortneyHollister, USA)

ロシア人は、自分たちがどう思われているのかということに無関心ではない

 「わたしが会ったほとんどの人たちは、ロシア国外に旅行したことがあまりなく、だから外国の話を喜んで聞いてくれた。そして皆によく訊かれたのが、外国人はロシアのことをどう思っているのかというものだった。わたしが訪れた国の中で、この質問を何度も投げかけ、そのことを気にかけているのはロシアだけ。このことだけでもロシア人がどういう民族かをよく物語っていると思う」。(Amanda Tran, Australia)

 「かつて強国でありながら後に衰退し、最終的に復活した国はほとんどない。しかしロシアはこの法則を覆したおそらく最初の国であろう。1991年にほとんど財政破綻し、リーダー不在の時代も経験し、さらに傷口に塩を塗るようにいくつかの問題のある地域で独立運動が起こった。しかしロシア人は、文字通り、栄光を取り戻すためになら必要なものを何でも手放す用意があったのだ」。(Sayak Biswas, Indian)

ロシア人は多くの苦難を乗り越え、多くのことを成し遂げた

 「この国は困難な過去を経験しており(スターリンによる粛清、第2次世界大戦で大量の犠牲者を出したことなど)、国民の心に消えることのない痕を残した。しかし、世界に芸術、文学や人生への情熱などでロシア例外主義を体験させてくれた」。(PJ Clarke, USA)

 「宇宙探検では負けた。(しかし、月面探検では我々が勝った。思い知ったか、アメリカの力を)」。(Fredrick Wheatley, USA)

 「ロシアと聞いて多くのアメリカ人が思い浮かべるのは、広大で寒くて、依然として伝統的で保守的な国。しかも未だに「西側の価値感」を受け入れずにいる国」。

 「これらの印象はすべてネガティブに聞こえるかもしれないが、アメリカ人は、すべてのロシア人を矯正しがたい最悪なものだと全否定しているわけではない。2009年にサンクトペテルブルクに旅行した前と後に、アメリカでこの旅行のことを話すとネガティブな反応をした人は1人や2人ではなかった。しかし人々は、関心を示し、羨ましがり、興味を持った。誰も「ロシアなんて最悪!」などと言った人はいなかった」。(Joe Roberts, USA)

 「大学で3年間ロシア語を勉強したが、先生はわたしにトーリャというロシア名をつけてくれた。ロシアは雄大で誇るべき歴史のある国だ。ロシア民族は多くの不幸に見舞われ、そこから立ち直って来た。長い歴史の中には、多くの愚か者もいたが、英雄もまた現れた」。(Du Shu-Jie)

安いロシア

 「ロシアは物価が安い。外食しても、たいがいは250ルーブル(およそ380円)で済む。食料品も(外国人から見れば)手ごろで、燃料も安く、長距離を移動するのに鉄道の料金もとてもありがたい値段だ」。(Amanda Tran, Australia)

 「2018年のFIFAワールドカップの時にロシアに1か月滞在した。実際、その時期は貧乏旅行者にとって悪いタイミングだったが、30日間で使ったお金は(航空運賃も含めて)、10万ルピー(およそ16万円)ほどだった。個人的にはすごく安いと思った」。(Nirlendu Saha, India)

ならず者国家

 「ずっとロシアの歴史が好きだった。ロシアはヨーロッパの一部でもあり、アジアの一部でもあるが、しかしそのどちらでもない。ロシアはかつて他のどの国からも本当の意味では受け入れられたことがない。ロシア皇帝がヨーロッパの王室と血縁関係を結んでも、完全に信頼されることはなかったである」。(Leonard Wolff, USA)

ロシア人は現実的

  「ニセモノの幸福は要らない。微笑みは、いつでも見せるのではなく、本当に必要なときのために取っておく。ロシア人が物静かで控え目な人たちであると知って驚いた。また彼らは本当にそうする必要なとき以外は罵ったりしない。ロシア人はアメリカ人と比べてある意味、より現実的な人々である」。(Fredrick Wheatley, USA

 「すごい人たちだ!これまで読んだ限り、彼らはアメリカ人のように微笑んだりしない。何故なら、それは不誠実に見えるからだと言う。いいところをついていると思う」。(Cortney Hollister)

 「ロシア人は人生においてそれほど多くのものを欲しない満たされた人たちの集団であるように見える。彼らは、基本的な生活必需品があって、パンとタバコ、ウォトカが十分にあって、子どもたちを学校にやれて、年老いた親の面倒を見ることができて、尊敬されて、平和に死ねればそれで良いのだ。多くの人が思っているほどロシア人は好戦的ではない」。(Soogun Omoniyi)

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