協会「ロシアで最も美しい村」には、40以上の小さな集落が入っている。その選択基準は厳しい。まず、それは「生きた村」でなければならない(つまり博物館ではなく、実際に人が住んでいなければならない)。
人口は2千人以下であること。そして、建物の歴史的外観の保存状況が監視されていること。また、周囲に興味深い風景が広がっていること。さらに、協会の専門家によれば、村に本物の木製の歩道があり、それが良好な交通インフラと組み合わされ、観光客がアクセスできることが重要だという。
さて、このリストにはどんな村が含まれているのか?
本物の商人の村をご覧になりたければ、ヴャツコエを訪れてみよう。約1500人が常時ここに住んでおり、誰もが村を愛している。18〜19世紀の古い建物が見事に保存されていて、そのなかにはホテル、レストラン、商店などが含まれている。
さらにこの村には、ユニークな「暮らしの博物館」があり、非常に珍しいアイテムを見ることができる。例えば、「台所用機械の博物館」では、帝政時代に使われていた卵ゆで器とトースターが展示されている。博物館「時の音」では、古い手回しオルガンと蓄音機が収集されている。
アクセス:ヤロスラヴリ(モスクワの北東270 km)から123番のバスで(ショッピングセンター「コスモス」で乗車)。所要時間は40分。
トチマは起源が中世に遡る。同名の川のほとりの、とても風光明媚な所にある。いわゆる「トーテム・バロック様式」の教会を見に、ここに来てほしい。高くそびえる白い聖堂で、レース風の装飾がなされている。
毎年7月26日、小さな町トチマは、北カリフォルニアのフォート・ロス(ロシア要塞 Fort Ross)と同時に「ロシア・アメリカの日」を祝う。二つの場所の間にどんな関係があるのだろうか?
フォート・ロスは、ロシア帝国の国策会社「露米会社」により建設されたものだが、具体的には、トチマ出身のイワン・クスコフが基礎を築いた。彼は、1808年に北米西海岸への航海を指揮している。
クスコフが人生最後の数ヶ月を過ごした家は、1990年に博物館の一部となり、帝政時代のカリフォルニア探索に関連する文物が保存されている。
今日、トチマとフォート・ロスの住民は、双方の教会で一緒に鐘を鳴らす慣わしで、その画像が中継される。
アクセス:ヴォログダ(モスクワの北450 km)から、バスでヴェリーキー・ウスチュグ方面に向かう。約4時間の行程。
想像し難しいことだが、ロシアの北極圏には400年前から人が住んでいた。アルハンゲリスク州にある古儀式派(分離派)の村、キムジャはそれをはっきり証明している。この村では、一軒一軒の家が歴史の宝庫であり、ロシア北部の木造建築の記念碑だ。ほとんどの家屋が築100年を超えているが、今でも家族が住んでいる。
キムジャ村では、住宅だけでなく、世界最北の風車も見ることができる。
アクセス:アルハンゲリスク(モスクワの北1230 km)からキムジャまでは、アルハンゲリスク――ベロゴルスキー――ピネガ――キムジャの街道に沿って車で行ける。距離は350 km。
アルハンゲリスク州には、多数の木造教会が残っているが、それらの多くは最良の状態とは言い難い。ロシア北部の木造建築を自分の目で見て確かめるためだけでも、オシェヴェンスキー・ポゴストに来る価値がある。なかでも1787年創建の神現教会に注目。現存するロシア最大の木造教会の一つだ。
1787年創建の神現教会
パーヴェル・コノノフ/Sputnik古い木造家屋を見ることもできる。村は小さく、人口はわずか70人だが、観光客はいつでも歓迎される。村人は地元の習慣について観光客に語り、ロシアの本物の「黒い」サウナを見せ、伝統工芸を教えてくれる。
アクセス:アルハンゲリスクからまず521番のバスでカルゴポリ市に行く必要がある(所要時間は8時間)。それからオシェヴェンスキー・ポゴストへやはりバスで行く(所要時間は1時間)。
キネルマの村人は今でも伝統的な生活様式を保っている。彼らは農業、カレリアの工芸に従事しており、観光客に喜んで知見を共有してくれる。カレリア料理の作り方も教えてくれる。
村には、18世紀の木造の礼拝堂がある。イコノスタシスも保存されている。18〜19世紀の住宅もあり、すでに建築の文化財として認識されている。
アクセス:ペトロザヴォーツクのバスターミナル(モスクワの北1000 km)からサヴィノヴォ行きの定期バスで。所要時間は2時間半。
ブリヤートの大部分は仏教徒が住んでいる地域だが、首府ウラン・ウデの近くに古儀式派の古い村がある。1765年に最初の移民200人によって建設。今でも子孫がおり、その数は1000人以上だ。村の生活様式を維持している。
とくに印象的なのは、地元民の木造住宅だ。コントラスト鮮やかな彫刻が施された窓のかまち、そして一風変わった装飾。立ち止まらずにはいられない!
アクセス:ウラン・ウデのバスターミナル(モスクワの東5600 km)から定期バスで。所要時間は2時間半。
スターラヤ・ラドガの要塞
Legion Mediaこれはロシアで最も美しい村の一つであるだけでなく、最も古い村の一つでもある。8世紀半ばに築かれ、9世紀の石造の要塞、聖ゲオルギオス教会、12世紀半ばのウスペンスキー大聖堂が現存する。
聖ゲオルギオス教会(左)と聖ドミートリー・ソルンスキー教会
アレクセイ・ダニチェフ/Sputnik古代のスタラヤ・ラドガは、ルーシ(ロシアの古名)の首都だったと考えられている。伝説によると、ここの最も大きな丘の上に、9世紀から10世紀にかけてルーシを支配した「予言のオレグ公」が葬られた(年代記によると、オレグは祭司から、愛馬のせいで死ぬだろうと予言され、結局、その通りとなった)。それが本当かどうかは定かではないが、スターラヤ・ラドガの一幅の絵のような絶景は間違いなくあなたの気に入るだろう。
アクセス:サンクトペテルブルクからヴォルホフ市まで電車で(2時間半)、その後23番のバスで。
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