この夏、インスタグラム上にはロシアにある奇跡的な場所を映した写真が溢れた。この国には、ロシアのモルディヴ、シベリアのピンク色の湖、ヤクーチヤの氷のビーチ、そしてプロヴァンスまであることが明らかになったのである。
そして今、ネットで幅広く拡散されているのが、もうひとつのピンク色の湖。今度はクリミアにあるものだ。
サスィク・シヴァシ湖はクリミア最大の湖で、半島の西端に位置している。黒海との間には細長い地峡があり、シンフェローポリ・エフパトーリア自動車道が走っている。
この湖は塩湖で、そのピンク色の秘密は湖水に含まれるβカロチンにある。そして湖水の色合いは淡いピンクから炎のように赤い色の間でさまざまに変化する。
サスィク・シヴァシ湖の珍しい塩はミネラルが豊富で、健康にも非常に良いとされている。ここでは古代ギリシア時代から塩が作られ、19世紀に塩産業が始まった。そしてこの塩は帝室の食卓にも運ばれた。
塩の結晶の中には黒色泥岩が含まれているが、治療に使われている。ちなみに湖の名前はほかでもないこの効能に由来している。クリミアタタールの言葉で「サスィク」は臭いを、そして「シヴァシ」は泥を意味する。
夏になると水位が急激に下がり、湖はほぼ渇水状態になるが、それでも泳ぐ場所は見つけることができる。水は非常に温かい。