「黄金の環」探訪 イワノヴォ:「花嫁の都市」で何を見るか

観光・自然
アレクサンドラ・グゼワ
 イワノヴォは、モスクワ周辺の古都群「黄金の環」の一つだが、ソ連時代の構成主義とロシア・アヴァンギャルドの傑作でもあなたを驚嘆させるだろう。

イワノヴォでやるべきことの簡単なチェックリスト

 イワノヴォは、「黄金の環」のなかでは「最年少」の都市なので、いたるところで見事な教会を目にするというわけにはいかない。年代記で初めて言及されるのは17世紀初めだ。市となったのは1871年のことで、それ以前は村だった。

 イワノヴォ(革命前の名称はイワノヴォ・ヴォズネセンスク)は、更紗(様々な模様を染めた木綿地)の生産で名高かった。何千、何万人もの織工が市に押し寄せ、すべての工場寮を埋めたことから、「花嫁の都市」という通り名がついた。

イワノヴォ最古の建築、「シチュドロフ邸」

 市内で最も古いレンガ造りの建物も、更紗の歴史と密接に関係している。この家屋は17世紀末に建てられ、当初は農民から年貢を徴収する地元の「管理人の事務所」だった。

 19世紀、富裕な農民、オシップ・シチュドロフがこの建物を買い取り、新たに3階を建て増しした。ここに彼は、更紗の模様をプリントする工房を設けた。その工房で模様を染めて(プリントして)、最上階でそれを乾燥させた。

  その後、この建物は倉庫にされた。しかし、保管されたのはやはり更紗だ。20世紀になって、他にも多くの工業用建造物が建てられたとき、この邸宅の歴史的な外観を復元することが決まった。それで上階を解体して、古い屋根を復元した。

カザン教会

 イワノヴォで最も風変わりな教会も、更紗に関係している!この建物はもともと、18世紀に別の豪農、オシップ・ソコフが工場として建てたものだ。そして、ここでも同じことが行われた――更紗の模様のプリントだ。

 19世紀には、この工場の建物を別の人間が所有し、ここで旧教徒(分離派または古儀式派)の勤行を密かに執り行うようになった。20世紀初めに、教会のドームその他の部分が建て増しされ、勤行が公然と行われ始めた。

 だが、教会は長くは機能しなかった。ソ連時代には、建物は住宅用建物として引き渡された。ペレストロイカの後、教会はその活動を再開し、今日に至る。

ソ連の構成主義

 現代のイワノヴォ市の外観は、主として19世紀後半から20世紀初頭に形成されたもので、産業の成長と関連している。だから、この都市の建築の見どころは、主に産業とプロレタリアの遺産に結びついているわけだ。

 当地の構成主義建築の質量は、他のどの都市も羨むほどのものだ。そのなかから歴史家たちが推奨するハイライトをいくつか挙げてみよう。

自分の興味のあるミュージアムを訪れよう

 イワノヴォの歴史を見て、そのなかで関心のある点を見つけ、関連する博物館を訪れてみよう。

 「織物の首都」における更紗と織物生産に関するすべては、イワノヴォ更紗博物館で知ることができる。博物館は、大工場主だったドミトリー・ブルイリンの古い邸宅にあり、邸宅はアールヌーボー様式で建てられている。彼はかつて博物館のコレクションのほとんどを所有していた。

 ロシア・アヴァンギャルドのファンには、イワノヴォ州立美術館を訪れることをお勧めする。まず第一に、赤レンガで造られた歴史的な工業用建物そのものが面白い。かつてここには、工場付属の学校があった。第二に、この美術館には、ロシア・アヴァンギャルドの数々の傑作絵画――オリガ・ローザノワ、アレクサンドラ・エクステル、カジミール・マレーヴィチなどの作品――が展示されている。

 自動車の愛好家には、ソビエト自動車産業博物館がお勧めだ。ソビエト車のヴォルガ、チャイカ、ZILなどが展示されており、マスモデルもレアモデルもある。それらのいくつかには実際に乗ることだってできる! 

ダチョウの飼育場

 かなり都会的な工場の「美学」はもう十分!と思ったら、こんどは自然を見よう。シャルトムスキー修道院近くのダチョウ農場を訪れてはどうだろうか。ここでは、ダチョウやミツバチの巣箱を見学し、ダチョウの卵をはじめエコ製品を買うことができる。

 さらに、イワノヴォでは、伝統的なお土産も購入できる。イワノヴォ州は、民芸品「パレフ細密画」で有名だ。手箱などに細密画を描き漆を塗ったものである。中世以来、当地の職人はイコンを描いてきたが、ロシア革命後、手箱、小箱などの小物の制作に切り替えた。

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