モスクワ近郊のシンデレラ城は実は教会だった!(写真特集)

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 ブィコヴォの屋敷はモスクワ郊外でもっとも謎めいていてもっとも美しい場所の一つで、写真撮影の場所としてもっとも高い人気を誇っている。

 これはディズニー映画の導入部分に出てくるような美しいお城に見えるかもしれない。

 しかし実際はそうではない。いくら待っても、ベルが野獣に会うためにこの階段を登っていくことはない。

 そう、これはお城ではなく、モスクワ州の正教会である。独特で、非常にユニークな2階建ての教会だ。

 ウラジーミル教会は1789年に建てられたロシア風ゴシックスタイルの建物である。

 そのすぐ近くにヴォロンツォフ=ダシコフの屋敷がある。かつてモスクワの県知事ミハイル・イズマイロフ一家が住んでいた。このイズマイロフ県知事が亡くなった妻のために教会の建設を発案した。

 誰が設計したのかは明らかになっていないが、大部分の歴史研究家がワシリー・バジェノフによるものだろうとの見方を示している。バジェノフは、クレムリンの近くに位置していて、モスクワでもっとも美しい建物の一つとされるパシコフの家ツァリツィノの宮殿アンサンブル、ペテルブルグのミハイロフスキー城を設計したことで知られる建築家である。

 教会の上部は、ロシアでもっとも崇敬されるイコン(聖像画)の一つ、ウラジーミルの聖母に捧げられている。1階にも教会があり、こちらはハリストスの誕生を記念している。

 1930年代、ソ連政府は教会を閉鎖した。そ子で、ここには児童施設が作られ、その後は建築物解体の学校、ミシン工場などが置かれた。当然、内装は激しく損なわれた。

 1989年、教会で再び典礼が執り行われるようになり、現在は毎日活動を行っている。

 地主屋敷の主要な家。こちらは間違いなくバジェノフが設計したものである。

 ソ連時代、ここには結核患者のためのサナトリウムがあったが、現在屋敷は打ち捨てられた状態となっており、多くのインスタグラマーが押しかけ、謎めいたゴシック調のお城をバックに写真撮影を行っている。