摘んではいけない魅力的なロシアの花10選

Legion Media
 世界のどこでも同じような状況であるが、ロシアにも保護すべき野性生物がある。そんな草花を見つけることがあったら、運がいい日だと思うべきだ。

 毎年、絶滅危惧植物の数は世界中で増え続けている。ロシアも同様だ。ロシアの希少で絶滅の虞がある野生生物のリストであるレッド・データ・ブックによると、顕花植物だけで 470以上の種が絶滅の虞がある。他の植物も数百もの種が同じ状況である。

 幸運にも、ロシアには300以上の国立公園、自然保護地区や庭園があり、保護すべき生物を守っている。ここでは数ある絶滅危惧植物の中から10種を紹介する。野生のこれらの植物を幸運にも見つけても絶対に折ったりしないように。

1.ホソバシャクヤク

 Fern leaf peony(糸葉シャクヤク)とも呼ばれる、ホソバシャクヤクはバルカン半島、東欧、中央アジアのステップが原産の草本植物である。最初はカフカスを含む南ロシア地方で発見されたが、今では絶滅の危機にあると考えられている。ステップの面積の減少が原因である。 

2.クロフネツツジ

 クロフネツツジまたはRoyal azaleaは、主に朝鮮半島、日本およびロシアの極東地方に生育している。クロフネツツジは葉が密な落葉性低木で、高さは4.5メートル、早咲きの植物の中ではもっとも美しいものの一つである。しかし、開発などの人間の活動、火事、トナカイの遊牧で危機に陥っている。

3.スペキオスス

 ロシア南部、カフカス、トルコ、イランが原産地である、スペキオススは10~15センチの球茎の多年草である。ステップ地域で育つが、人間の活動によってその数は減少している。

4.ハス

 ハス(インドロータス、聖なるロータス, インドの豆、エジプトの豆、または単にロータスとも言われる)の原産地はとても広く、ロシアのヨーロッパ部、極東(アストラハン、アムール、ハバロフスク地域、カスピ海周辺、沿海地方)にも及んでいる。他の絶滅危惧植物と同様にハスも1970年代以降保護されてきているが、人類が滅亡に追いやっている。

5.エリスロニウム・シビリクム

  一般的には、Siberian fawn lily やSiberian trout lilyと呼ばれているエリスロニウム・シビリクムは、ユリ科の球根の多年生植物である。ロシアでは、アルタイ、クラスノヤルスク、トムスク、ノヴォシビルスク、ケメロヴォ、ハカシア、トゥヴァ地域で自生している。繰り返しになるが、人類はその数を減らすのに大したことを行っている。だから絶対に摘まないで。

6.ヴィオラ・インシカ

 シベリア、アルタイ、沿海地方の草原地帯で見られるヴィオラ・インシカは、過度の放牧と開発によって数を減らしている。たとえば、トゥヴァではクズル市の拡大によって自生地域が消滅している。

7.アツモリソウ

 ロシアのヨーロッパ部やシベリア原産のラン科のアツモリソウは、そんなに密ではない落葉樹林や混合樹林の中で自生しており、針葉樹林やその周辺部、海岸の草地で見られることもある。1970年代末から保護されているが、森林開発、土地の乱活用、採取によって希少植物であると考えらている。

 8.イワベンケイ

 別名 Golden root、Rose root、Arctic root、Orphan roseと言われるイワベンケイは、多年生の顕花植物で、野生ではヨーロッパ、アジア、北米の北極海地方で見られる。ロシアでは、アルタイやトゥヴァを含む各地で自生しているが、保護されているのは、ヨーロッパロシアの北部、ウラル、北極海地方、シベリアの山岳地方、極東のみである。価値のある薬草であるために、乱採取が懸念される。

9.オニユリ

 中国、日本、朝鮮半島が原産のオニユリは、ロシアでは見られるところが少なく、沿海地方やサハリンなどの極東に限られる。しばしば岩場、人目につかない海岸部、針葉樹林や落葉樹林の中の空き地、温泉の近くなどに自生する。これも、採取によって数を減らしている。

10.チューリパ・シュレンキー

 チューリパ・シュレンキーまたはTulipa suaveolens、Schrenck's tulipは、ユーラシアのステップに自生する球根の多年生草本植物である。

 ロシアでは、ヨーロッパ側の南部と南東部、北カフカス地方で見ることができるが、チェチェン、イングーシや北オセチアでは危機に瀕している。

 観賞用、薬用に使えるため、このチューリップは人による採取、土地開発、牛の遊牧によって自生地域を狭められている。

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