1. ムゼオン、ゴーリキイ公園、ネスクシヌイ庭園――きれいな空気の中を歩く時間
もし、半日フリーな時間があるのなら、この緑あふれるコースをチェックしておこう。セントラル・ハウス・オブ・アーティスツの本拠地ともなっているトレチャコフ美術館の新館館近くにあるムゼオンからスタートだ。ムゼオンは、ソ連時代の記念碑の「墓地」だ。1990年代初めに、ソ連の権力者たちの銅像が撤去され、ここに持ち込まれた。ソ連の指導者――ヨシフ・スターリンやKGBの初代長官フェリックス・ジェルジンスキーを見つけることができる。改修されたばかりのクルィムスカヤ河岸通りを散策することもお忘れなく。
地下道を通ってクルィムスキイ・ヴァル通りを横断すると、カフェやスポーツ施設、(野外映画館“パイオニア”を含め)エンターテイメントがたくさんある、モスクワ市内で最も有名で緑豊かなエリア、ゴーリキイ公園に出る。公園内を歩いたり、美術館ガレージに寄って現代アートを見たり、ラ・ブールでペタンクをしたり、レモネードを飲んだり。エンジョイしよう!
大都市の毒素をすべてデトックスしたいというのなら、ネスクシヌイ庭園に行こう。 直訳すると「退屈しない庭園」という意味だが、現代的なインフラの整備が不十分で、まるで森のように見える。近くにある埃っぽいレーニンスキー大通りと釣り合わせているんだという人もいる。
2. ザリャージエ公園――見事な景観
クレムリンに続くこの真新しい緑のゾーンは少し混雑しているが、午前中の数時間なら、モスクワ川に架かっている浮き橋の端っこで、平和と孤独をいくらか見いだすことができる。どこかの田舎にいるような気分で、木々と植物の中を歩き、アイスクリームを楽しもう。
3. エルミタージュ庭園――カクテルを手に晩のダンス
ポップミュージックの中心となっているこの場所では、テラスのあるカフェ、ボヘミアン「32.05」カフェで、アペロール・スプリッツを楽しめる。同時に、ライブ音楽を聴いたり、踊ったり、集まっている美しいモスクワっ子たちを楽しもう。ここには、新オペラ劇場もあって一石二鳥、複数のカルチャーを手に入れよう。
4. バウマン公園――スポーツと教育活動の場
この小さな居心地の良い公園では、アートスタジオ、ダンスクラス、ヨガ、英会話クラブといった面白いイベントが頻繁に開催されている。かつてはゴリツィン公爵の地所だったが、ソ連時代にモスクワ中心部で人気の緑地となり、有名な映画『ポクロフスキー門』にも登場している。
5. タガンスキー公園――子どもを連れて行こう
子どもたちを走り回らせ、遊び場を探検させ、広い競技場でサッカーをさせ、噴き出す噴水の水に手を入れさせ、ライブ音楽を聞かせてあげよう。野外ステージでは誰かしらが必ず演奏している。「アンデルソン・カフェ」でデザートを注文し、草の上に腰を下ろしてくつろごう。近くには、壮大なポクロフスキー修道院がある。広く崇められているモスクワの聖マトローナの聖遺物を拝見しに、聖堂の中に入ってみよう。
6. 薬草園――植物が好きなら
これは、1706年にピョートル大帝が設立したロシア最古の植物園だ。ここには当初、薬草が植えられていた。現在は、モスクワ国立大学の植物園となっており、広い敷地に並ぶさまざまな植物や花々を楽しむことができる。植物園のインスタグラムには、現在開花している花のカラフルな写真がよく投稿されている。訪ねる前にチェックしよう。
7. エカテリ二ンスキー公園――ボートを借りよう
この公園がまだ、聖エカテリーナ勲章モスクワ学校の一部で、自分は、ここを歩いている19世紀の貴族の娘だと想像してみよう。ここには、図書館、古いプラネタリウム、ボート乗り場のある素敵な池が3つある。美しいブルーの校舎は保存されており、現在はロシア軍の中央会館となっている。ここでくつろいだ後は、そばにあるモスクワ中央軍事博物館の野外軍事展示場を訪ねてみよう。
8. モロゾフ庭園――静寂を楽しむ
キタイゴロドの延々と続く曲がりくねった通りを散歩しているうちに、偶然、この小さな庭園に行く着くかもしれない。近くにあるイワノフスキー女子修道院で売っている修道院製の手作りパイを楽しんだり、ベンチに腰を下ろして静寂を満喫しよう。緑色の建物は、帝政時代に産業界のエリートだった高名なモロゾフ家の邸宅だった。
9. ノヴォデヴィチ池――カモに餌をやろう
この公園は、モスクワの絵のように美しい場所にある。美しいノヴォデヴィチ女子修道院(中に入って正教の教会とイコンを見るのを忘れないで)の片側にある。反対側には、モスクワ川の広い河岸通りがあり、ローラースケートやサイクリングに最適だ。この公園でピクニックをしたり、友人を伴ってテーブルゲームを持ってきたり。その後で、素敵な池の周りを散歩し、鴨に餌をあげたり、鴨たちの像を見てみよう。
10. トルベツコイの屋敷公園
モスクワで最古の屋敷のひとつが残るこの公園は、かつて、トルベツコイ公爵家の田舎の住居だった。今日、これはハモヴニキ地区の中心にあり、地下鉄フルンゼンスカヤ駅から徒歩数分のところだ。アルカジー・ノヴィコフのレストラン“FARSCH”でハンバーガーをオーダーし、池に映る屋敷の姿を眺めながら頬張ろう。ソ連時代にはここで、子ども向けの軍事やスポーツのレッスンが行われていたが、現在は、遊び場やエコロジーの小道がある。