もっとも過酷なものからふわふわしたものまで:ロシアで開催される5つのユニークなマラソン

観光・自然
ニコライ・シェフチェンコ
 犬と一緒に走ったり、4日間かけて走る宗教的なコースに出かけたり――ロシアのマラソンにはなんでもある。

1. もっとも過酷なもの

 焼けるような太陽が、気温を摂氏45℃まで上げる砂漠の荒野を160kmも横断することは、経験豊かなランナーにとっても究極のチャレンジだ。ロシアとカザフスタンの国境にあるエリトン湖畔を周るウルトラ・トレイルマラソンは、参加者たちを極限にまで追い詰める。主催者側は、厳しい条件や硬い土壌、日陰がなく熱中症のリスクがあることをはっきりと警告している。

 経験豊かなマラソンランナーにしかアクセスできない160kmという極めて長い距離には、短めだが厳しい42kmのコースと、82kmのコースが追加されている。短いほうのコースはオプションではない。

 試してみる覚悟がまだできていないという人にとっては、こうしたことはすべて現実的とは思えないかもしれないが、多くの命知らずたちが、160kmを制覇した人に贈られる公式メダル「鷲勲章」を受け取っている。このマラソンのウェブサイトでは、「自然の不思議な力が、あなたのエネルギーになるだろう」と言っている。

 次のレースは2018年5月24日に予定されている。

2. もっともふわふわしたもの

 このマラソンの距離はわずか5kmだが、走行距離以上のものがある。ドッグマラソンでは、チャリティのために飼い主が犬と一緒に走ることができるのだ。主催者側が得たお金はすべて、イベント後、様々な犬の保護施設に送られる。

 自分のペットがいないランナーは、保護施設の犬と一緒に走ることができる。これは、人間が犬を助ける代わりに、犬も人間を助けてくれるという場所なのだ。

 次のマラソンは2018年6月10日に、モスクワのクズミンキ公園で開催される予定だ。

3. もっとも旅行者向けのもの

 これは、モスクワ近郊に環状に位置するロシアの古都――「黄金の環」の12都市で開催されるユニークなランイベントだ。参加者は、それぞれの都市ごとに申し込みをしないといけない。

 参加料は非常に手頃で、このイベントひとつで、スポーツをしながら、古都を訪ねてまわり、ロシアの歴史と文化を学ぶのに十分なのだ。

 都市と日にちを選ぶには、黄金の環ランのウェブサイトにアクセスしよう。

4. もっともロマンティックなもの

 レースは、サンクトペテルブルクの宮殿広場に始まり、終わるのだが、この素晴らしいセッティングだけがユニークなレースの魅力ではない。このイベントは、サンクトペテルブルク独自のシンボルである白夜の時期に、このロシアの北の首都で開催されるのである。

 コースは、参加者たちが、この都市の文化や建築の名所を楽しめるように構成されており、そのメインとなるのが白夜だ。マラソンをするのに、これほどロマンティックな場所は、世界のどこにもまずない。参加者は、10kmと42kmからコースを選ぶことができる。

 次の白夜は、2018年7月22日に始まる予定だ。

5. もっとも国際的なもの

 これは、ロシア国内で見つけることのできる最大のマラソンで、ロシアの主要なマラソンイベントとして知られている。42kmのコース(別に10kmのオプションコースがある)は、モスクワ川の堤防、サドーヴォエ環状道路にブリヴァール環状道路、そして、クレムリンの城壁沿いを通っている。

 モスクワマラソンは、新しい友達を作り、この都市を知る絶好のチャンスだ。このことが、このマラソンが多くの外国人参加者を惹きつける魅力なのかもしれない。3万人近くの参加者たちが、約70カ国からやって来た。実に国際色豊かな参加者たちがいることが、モスクワマラソンを、ニューヨークやパリ、ロンドン、東京でのマラソンと同様の国際的なイベントにしているのだ。

 次の開催は、2018年9月23日に始まる予定だ。