昔からロシア正教会の信者はモスクワから至聖三者ゼルギイ大修道院へ巡礼をしてきた。これはこの国で最も重要な修道院の一つで、セルギエフ・ポサドの町にある。モスクワの中心から始まるこのルートは全長100キロメートルを超え、歩き切るのに4日かかることもある。道中では興味深く歴史ある宗教施設を目にすることができる。これは初級者コースで、沿道には多くの村や町があるため、必要があれば食べ物や水を容易に見つけることができる。ホテルに宿泊することも可能だ。
面白い事実:ピョートル大帝の娘、女帝エリザヴェータ・ペトローヴナもこの道でトレッキングをした。ただし独自の方法で。彼女は2、3キロメートル歩いては、馬車で宮廷に戻り、翌日は前日到達したところから始めた。旅は数ヶ月続いたが、さほど疲れるものではなかった。なかなか素敵な方法では?
自然に近づきたいが、街を離れる時間がない?街中を通るこのルートはモスクワの公園やグリーンゾーンを結ぶ。夏の間ずっとハイキングしても退屈することがない!このルートは158キロメートルとかなり長いため、なかなかひと息にフィニッシュというわけにはいかない。何週末かに分けて臨むのが良いだろう。このルートは家族ハイキングやジョギング、マウンテンバイキング、ノルディックウォーキング、冬のスキーに適している。
理想的な週末のハイキングを楽しめるのが、モスクワから列車で35分の町ドルゴプルドヌイとムィチシチとを結ぶ初級者コースだ。19.8キロメートルのルートは1日か2日で制覇できる。食べ物や飲み物を買えるベリャニノヴォ村を通る。途中天然の水源はないので、水を携行したほうが良い。ルート名はドルゴプルドヌイのモスクワ物理工科大学(通称“フィステフ”)に由来する。
短めのこのルート(6時間程度)はフィルサノフカ駅(モスクワから列車で45分)からセレドニコヴォ貴族屋敷で知られるセレドニコヴォ村まで続いている。歴史的にはロシア貴族が暮らした場所であり、また若きミハイル・レールモントフは夏の間ここで過ごした。ルートは森や川、“シェプキノ沼”と呼ばれる湖を通る。この湖で毎年シェプカ民族祭が行われる。
メトロのミチノ駅からモスクワ鉄道のクラスノゴルスカヤ駅までの15キロメートルのこのルートは5時間で制覇でき、道は小川のある森の道や深い渓谷を通る。多くのアップダウンがありハイカーだけでなくスキーヤー、サイクリスト、ジョガーも惹きつけている。したがって時々アスリート集団を目にすることがあるかもしれない。その時は道を譲って彼らが安全に通過できるようにしよう。道中には天然の水源があるが、そこでは飲まないように。水は事前に買っておこう。
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