もし飛行機が遅延・欠航になったら:ロシアの航空会社は何を補償してくれるの?

アレクセイ・マルガヴコ/Sputnik
 チケットを買い、スーツケースに荷物を詰め、空港に着いたら…どこにも行けなかった!…これに類するさまざまなケースについて考えてみよう。そして、ロシアの空港でいかにお金と労力を節約すべきか整理してみよう。

こんな場合は航空会社は責任を負わない

 他の国もそうだが、ロシアの航空会社も、起こり得るすべてのことに対して常に責任を負う、というわけではない。ロシアの法律は、それが不可抗力によるものであれば、補償その他の義務を免除している。

 では不可抗力とは何か?自然災害、軍事作戦、疫病、ストライキ。あるいはまた、あなたの行く先が検疫区域になったり、国の決定で渡航禁止になった場合などだ。

 さらに、人命や健康を脅かし得る航空機の故障、問題(エンジン故障や燃料不足など)もあり得る。

 多くの場合、こういったことが遅延や欠航の理由となり、会社は責任がない(補償の義務がない)と言う。率直に言って、会社の言い分が正しいとは限らないが、会社がそういう立場をとると、責任の有無、程度は、もはや裁判所で明らかにするしかない。


どんな場合に会社の責任になるのか

 ロシアでは、次のような場合には会社の責任になる。オーバーブッキング(乗客の誰かが搭乗しないと予想して、航空券を飛行機の座席数よりも多く売った)。時刻表との齟齬、乗員が定刻までに飛行準備を完了できなかった(例えば、飛行機の清掃が間に合わなかった)。そのフライトが赤字になることが判明して飛ばさなかった、等々。こういった、実際には「不可抗力」ではない理由だ。

 だから、遅延や欠航を知ったら、まずやるべきことは、その航空会社の代表者に問題の所在を聞くことだ。彼らはそれを伝える義務がある。会社のカウンターを見つけるには、ほとんどの場合、空港のインフォメーションデスクで聞けば分かる。

 その結果、遅延・欠航が不可抗力によるものではないと分かったら、あなたが受け取れるのは以下のものだ。

 ニュアンス:悪天候で飛行できなかったときは、会社の責任ではないが、ロシアの規則では、この場合も、会社は下記のすべてのサービスを提供しなければならない。ただし例外は、待ち時間に対する金銭的な補償だ。これは請求できない。


フライト遅延に対する補償

 7歳未満の子供を連れている人に対しては、母子用の待合室が提供される。また、会社は客の荷物を保管し、待ち時間に対して金銭的補償を支払うことになる(詳しくは以下を参照)。補償を受けるには、その会社のカウンターで、フライト遅延について、チケットに記してもらうだけでよい。カウンターの場所が分からなかったら(通常は、会社のほうから対応に出てくるが)、空港職員に聞くこと。

 定刻から2時間遅れると、会社はすべての客に通信手段を無料提供しなければならない。つまり、2回の通話または2通の電子メールの権利がある。また、ソフトドリンクも提供される。

 4時間遅れると、全員にランチが配られ、その後は、昼間は6時間ごとに、夜間は8時間ごとにランチ提供となる。

 もし待ち時間が、昼間に8時間以上、夜間に6時間以上に及んだら、ホテルの部屋を提供される権利がある。法律では、あなたが他人と相部屋になることはない。さらに会社は、ホテルと空港の間の送迎も行う。

 ニュアンス:もし航空会社から提供されたホテルに不満なときは、別のものを選択してもいい。ただし、自分で支払うことになるし、送迎もないが。しかしその場合でも、ホテル宿泊、交通費などを確認できる領収書等のすべての書類をとっておこう。あなたが帰宅してから、少なくとも差額を会社に請求できるから。


補償金!いつ、どのように受け取るか

 2つニュースがある。まず良いニュースから。欧米とは異なり、ロシアの規則では、ロシアのすべての航空会社が、たとえ1時間の遅延でも、乗客に補償金を支払わなければならない。これは、フライト遅延にのみ適用される規則だ。

 次は悪いニュース。補償金はごくわずかだ。現時点では、1時間の待ち時間に対して、25ルーブル(約43円)+チケット価格の3%。いや、我々はゼロをいくつか付けるのを忘れたわけではない…。それでも、補償金に関心がおありならば、空港の航空会社の代表者から受け取ることができる。

 

フライトが当日または数日前または数週間前に欠航になった場合は?

 その場合は、航空会社が必ず代替便を提供する。ただし、その日のうちに同じ会社の便で飛べるとは限らない。この代替オプションに満足できなければ、チケット代金払い戻しの権利がある。法律では、会社による払い戻しの期間は定められておらず、ふつうは1~2ヵ月かかる。場合によっては約半年ということも…。

 ところで、欠航のせいで旅行の目的が果たされなかった場合は、欠航した便だけでなく、すべてのチケット代を返却する義務が会社にはある。ただし一つ条件がある。あなたがそれらのチケットを別々に購入していなければ、ということだ。

 そうでなければ、欠航に対する補償は行われない。

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