病気かしら? —ロシアの薬局を使いこなそう

 急を要するとき、医者の処方箋なしでどんな薬が買えるのか?

 体の不調を感じたとき、もちろん最初にすべきなのは病院に行くことだ。自分で処方することはお勧めしない。しかしもし時間がなく、立てないほどの状況でなければ、ロシアの薬局では処方箋なしで買える薬が売られている。

 

風邪をひいたときの最適な治療法は?

 まず少し調子が悪いという程度であれば、民間療法を試してみるといい。レモン、生姜、またはハチミツを入れた紅茶。これを飲んで暖かいブランケットにくるまればぐっすり眠れるだろう。

 これでダメなら、ロシアの薬局にはパラセタモールが入った薬がある。熱を下げ、風邪の症状を治めてくれるものだが、飛行機に乗る予定があるとき、または1日仕事をしなければならないときにぴったりな薬。すべての薬にはロシア語と英語で服用方法が書いてある。しかし体調が少しでも悪化した場合は医者に行くこと。

 もっとも一般的な粉薬は世界的に知られているTherafluとロシア製のColdrex、AntiGrippin。アスピリンも処方箋なしで買うことができる。

 炎症を抑えるイブプロフェンを含む錠剤もある。IngavirinやAmiksinは抗ウイルス薬である。鼻がつまっているなら、多くの点鼻スプレーがある。Aquamaris、Otrivin,、Tizin、そしてもっとも安価なものとしてRinonormがあるが、ここに挙げたのはほんの一例である。

 喉の痛みがある、咳が出るという場合は、Tantum Verde、Geksoral、Lyugolなどのスプレーがある。喉痛によく効く錠剤も数多くある。Doctor Mom、Gramidin、Strepsils、Falimint、Imudonなどであるが、ロシアの医師はサルビアを含んだ普通のキャンディをなめるよう勧めることが多い。

 

何か悪いものを食べたかなというとき。お腹の痛みを和らげてくれる薬は?

 このデリケートな不調に効く薬もたくさんある。

 まずロシアでは活性炭と呼ばれる素晴らしい薬が作られている。ロシア人はこのまったく安価な黒い錠剤が好きで、どんなお腹の不調のときもこれを飲む。活性炭はすべてを吸収してくれるからだ。また活性炭は外国旅行の際に、現地の水や食べ物にお腹を順応させるのを助けてくれる。

 活性炭は二日酔いを防ぐもっとも一般的な方法の一つである。ロシア人はお酒を飲む前や調子が悪い朝にこれを飲む。(Enterosgelもまた同じ効能があるが、値段が高く、その飲み心地の悪さは誰もが耐えられるものではない)。

 最近、薬局では活性炭を改良した白い活性炭が売られている。お値段は少し高めだが、2〜3錠で効く。(黒い活性炭の場合、体重10キロあたり1錠飲まなければならない)。

 食べ過ぎたというときは消化を助けるMezimという良い薬がある。

 胸やけにはRenni か Gastalが良い。

 下痢をしたときはSmekta(いつも用意しておいた方がよい)。吸収を高める作用があり、胃を保護してくれ、痛みを和らげてくれる。とにかく下痢を止めたいという場合はImodiumかLoperamidだが、たくさん服用することはお勧めしない。腸の筋肉の動きを一定期間止め、お腹にある悪いものすべてを体内に留めておくからだ。いいか悪いか分からない。

 ちなみに、ロシア人はお腹をこわしたとき、クルトン入りのチキンスープと紅茶だけを摂る。

 

頭痛、生理痛には

 鎮痛剤もたくさんある。もっとも一般的なものはNurofen、またはロシア製のNekst。Spasmalgonはひきつけを和らげてくれる。ソ連時代からロシア人は頭痛のときにはAnalginまたはZitramonを服用する。

 Ketorol、Nise(関節の痛みに効く)、Pentalgin(腰痛や首の痛みに効く)といったもっと強い薬もあるが、医師に相談せずに長期間にわたって服用することはお勧めしない。

 生理用のナプキンやタンポンは薬局の店頭に出ていることが多いので、欲しいものを指差せばよい。(あるいはスーパーマーケットと同様のシステムの店であれば、そのままレジに持っていってもよい)。

 

赤の広場でスケートをしていて転んだ!青あざができた、または捻挫した!

 強い痛みがあるときは医師に診せること。青あざができたとき、ロシア人はヨードチンキを使う(現在はスティックタイプになっている)。患部に塗ればよい。ヨードチンキは小さな切り傷の際の消毒にもよい(ただししみるので注意すること)。Traumelもよく効く。

 またロシア版のヨードチンキであるZelenkaのスティックもお勧め。ただ洋服や手が緑色になることがあり、たいていの場合、洗っても取れないのでご注意。

 捻挫にはFastum gelかVoltarenがよい。いずれも痛みを和らげてくれる。

 

薬局で役立つフレーズ集

  • 頭痛に効く薬を買いたいのですが。 – Mozhno mne chto nibud ot golovnoy boli? (Можно мне что-нибудь от головной боли)
  • 活性炭(白)をください。 – Pachku aktivirovanogo (belogo) uglya, pozhaluista (Пачку активированного (белого) угля, пожалуйста
  • 喉の痛みに効く薬はありますか? – U vas yest chto nibud ot boli v gorle? (У вас есть что-нибудь от боли в горле?)
  • 絆創膏 – plastyr’ (пластырь)
  • 包帯 – bint (бинт)
  • 風邪 – prostuda (простуда)
  • 咳 – kashel (кашель)
  • 生理用ナプキン – prokladki (прокладки) 

 最後に、自分で処方することを勧めないことだけは明記しておく。どんな場合も医師にかかった方がよい。

*ロシアでの外国人の医療サービスの受け方についてはこちらでどうぞ

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