2018 FIFA W杯ロシア大会の観戦旅行は用心すべきか

ニナ・ゾチナ/Sputnik
 友達と話すうちに、ロシア旅行中は全く気が抜けない気がしてきた?ロシア恐怖症の典型例をもとに、何に備えるべきで、何が杞憂かをお教えしよう。

ロシア人は英語ができない

 そう、ここでは西欧のようには英語が普及していない。しかしあなたの快適な旅を支える人々、すなわちメトロの切符売り場の職員、ホテルの従業員、多くのレストランのウェイター・ウェイトレスはかなり英語ができる。動物園や美術館、博物館では、必要な情報はすべて英語で併記されている。一般の人々は、「ビール」や「ホテル」、「バス」のような単語は理解できるだろう。学校か大学で英語を習っているからだ。彼らは持てる知識を総動員し、それから身振り言語に切り替える。

 だがやはりグーグル翻訳にロシア語パックをインストールし、またロシア語のアルファベットを勉強しておいたほうが良いだろう。ロシア語単語の中には外国語からの借用語もあり、ほぼその通りに聞こえるものも多い。もしCがS、ПがP、УがU、ЛがL、TがそのままTだと知っていれば、例えば、ロシア語のСТОП(ストップ)やТУАЛЕТ(トイレ)は簡単に理解できるはずだ。

 

図々しいタクシー運転手

 タクシー運転手はあなたが外国人というだけで、きっとぼったくろうとする。したがっていくつかルールを覚えておこう。もし空港にいるなら、「タクシー」という表示のある専用の乗り場から乗車しよう。道端でタクシーは拾わない。到着ロビーで客を待ち伏せているタクシー運転手には近寄らないこと。一番簡単なのは、UberやGett、Яндекс.Таксиなどのサービスを用いることだ。タクシー運転手の中には、釣り銭がないと騙す人もいる。ロシア人であれば、このような場合、近くの店の傍で停車させ、両替をしてくると主張できる。だがロシア語が話せなければ、こんな主張は不可能だ。釣り銭の要らないよう、少額紙幣(100ルーブル)をたくさん持っておこう。それから、タクシー運転手にチップを渡す必要はない。チップは全く義務的ではない。

 

宿泊代が高いから、路上で寝泊まり

 W杯の開催期間中、ホテルやホストはひと月分の宿泊代に相当するような値段(300ドル~無限)を設定する。窮地に陥らないよう、一度にいくつかの宿を押さえておいたほうが良い。到着直前にホテルから宿泊を断られても、別のホテルを頼ることができるからだ。FIFAの公式サイトにあるホテルのリストを参考にしよう(これらのホテルはまだ良心的だ)。もう一つの方法は、隣町や郊外の宿を調べることだ。スタジアムまで1、2時間かかるかもしれないが、宿泊代は至って通常だ。例えばサランスクから交通機関で2時間のところにあるアルザマスでは、2人部屋を1泊1000~2000ルーブル(17~34.5ドル)で借りることができる。

 絶対にしてはいけないのが、見ず知らずの人の勧めに頼って現地のアパートを探すことだ。たとえその見ず知らずの人が、善人そうなおばあさんであっても。

 

私の身の安全は

 治安はW杯開催国にとって最も重要な点の一つだが、ロシアは全力を挙げてこの問題に取り組んでいる。普段の親善試合の時でさえ、モスクワでは最も遠いメトロの駅からスタジアムまで、治安部隊員が切れ目なく隊列を成している。観光客の多い通は概して非常に安全だ。しかし、あなたがファンの集団と遭遇したり、スリに遭ったりしない保証はない。ここではすべてがあなた次第だ。挑発に乗る必要はないし、周りをうろつく子供たちは避けたほうが良い(ロシアのファンについてはこちら)。しっかり警戒して、怪しい連中とは関わらないことだ。また、街の場末には「ちょっと散歩しに」行ったりしないように。

 

ロシア人は共産主義者だから、自分たち同様の共産主義者にしか親切に接しない

 ロシア人はとっくの昔に共産主義者ではなくなった。彼らも“アメリカの”スターバックスに行ったり、ユーチューブを見たり、休暇には海外へ行ったりするのが好きだし、喜んで外国人と話す。彼らはあなたに何か教え込もうとするだろう(正しいウォッカの飲み方、ロシア語での罵り方、ペリメニとは何か、などなど)。しかし彼らが「СССР(ソ連)」と書かれたTシャツを着ていたとしても、別に何の意味もない。ソ連時代のヴィンテージ品は共産主義者の証ではなく、単なるキッチュやメインストリームだ。あなたがそれを着たって構わない。何の問題もない。

 

狂った運転手

 車載カメラの映像を見ると、ロシアの運転手は全員狂人で不死身なのかと思うかもしれない。ユーチューブに上げられている「ロシア人ドライバー」に関する無数の動画は、さながらロシアの路上のGTAだ。

 しかし事実は全く異なると信じてもらいたい。運転中に起きることをすべて録画しているのだから、動画に上がるのは選ばれた一部にすぎない。

 したがって、BeepCarBlaBlaCarなどのサービスでカーシェアリングの同伴者を探しても問題ない。ただしロシア語が少し分かる必要がある(英語インターフェースがないため)。

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