1.タガンログ:浅瀬の海で泳ぐ
この街は南のサンクトペテルブルグになる可能性があった。バルト海に面した街よりも4年早建設されたタガンログはアゾフ海岸に位置する。アゾフ海は世界でもっとも浅い海で、ピョートル大帝の船を建造するという計画にはそぐわなかったが、それでも街を建設した大帝には感謝しなければならないのかもしれない。なぜならこの街は美しい砂浜に恵まれ、潮の香りを楽しむことができるからだ。
街には、地元の市場やレストランで買える新鮮な魚、それに博物館、劇場など多くの楽しみがある。しかもタガンログはアントン・チェーホフの生地であり、チェーホフに所縁のある場所をめぐるガイドツアーに参加し、新たな発見をするのも素晴らしい。
持参したい本:チェーホフの短編集
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):500–600ドル(およそ54,000–64,000円)
タガンログの楽しみ方についてはこちらでもっと詳しくどうぞ
2.アルタイ:絶景を楽しむロードトリップ
車の運転が好きだという人にオススメのプラン。自分の車の窓から山や川や湖が見られることほど素晴らしいことはないというあなたにとって、シベリアのシルクロードと言われるチュイスキー・トラクト(チュイスキー街道)を走る旅は一生に一度の体験になるだろう。
この旅には周到な準備が必要である(通訳、ガイド、レンタカーなどの手配)。さらにオフロードドライヴ中に驚くほど変化し、あなたに“試練”を与える天候にも心構えが必要だ。それからテントと寝袋をお忘れなく。キャンプ場を見つけることもあるかもしれない。
アルタイ山脈を満喫できる10点の写真と10の道はこちらで。
持参したい本:「路傍のピクニック」(ストルガツキー兄弟)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):700ドル(およそ75,000円)
3.カレリア:カヤックと古い正教会
カレリア共和国はロシア北部の真珠である。ユネスコの世界遺産にも登録されているオネガ湖に浮かぶキジー島を訪れ、歴史建築民族国立野外博物館を散策し、ロシアの古い木造の教会の美しさを堪能しよう。オネガ湖のヴァラーム島にある美しい修道院を見るのをお忘れなく。
カレリアの美しさを探る最適な方法は、松林を楽しみながら流れの早い川をカヤックで下ることである。
時間の余裕があるなら、ソロフキ(ソロヴェツキー諸島)にも足を伸ばし、修道院の歴史に親しみ、ソ連時代の収容所について学ぶこともできる。
持参したい本:聖愚者ラヴル(エヴゲーニー・ヴォドラスキン)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):500–1,000ドル(およそ53,000–107,000円)
息をのむようなカレリアの写真はこちらで。カレリア地方の食べ物についてはこちらで。
4.キスロヴォツク:カフカスの新鮮な空気と鉱水
キスロヴォツクはロシアのカルロヴィ・ヴァリである。かつてロシアの貴族たちは皆、カフカス地方で休暇を過ごした。ここで鉱水を飲み、ナルザン温泉に入り、ケーブルカーに乗って山々の美しさを満喫し、長く伸びる登山道を歩いた。
近くの街ミネラルヌィエ・ヴォードゥイには空港があり、そこからピャチゴルスクに行くこともできる。ピャチゴルスクは優れた詩人であるミハイル・レールモントフが決闘で命を落とした場所である。地域の中心地であるナリチクとウラジカフカスへは列車を使って数時間で行くことができる。
持参したい本:「現代の英雄」(ミハイル・レールモントフ)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):1,000ドル(およそ107,000円)
南ロシアのスパの街についてはこちらの写真でどうぞ: URL
5.クリミア:海、山、そしてロマノフ家の宮殿
港町セヴァストーポリを一周するボートツアーに参加しよう。古代ギリシャの植民地跡、クリミアのヴォロンツォフ宮殿、リヴァディア宮殿、ツバメの巣城を訪ねることができる。それから皇帝一家が歩いた小径を散策してみたい。
ケーブルカーでアイペトリ山に登り、本物のタタール料理を堪能しよう。ヤルタで遅めのディナーを楽しみ、遊歩道でダンスする。フォロス、アルプカといった海岸沿いの小さな町に滞在し、日光浴と海をエンジョイするというのはどうだろう。
持参したい本:「十二の椅子」(イリヤ・イリフ&エヴゲーニー・ペトロフ)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):1,500ドル(およそ160,000円)
クリミアはロシアの作家たちにとってお気に入りの休暇先であった。この街の文学的な横顔を探るならこちらでexplore its literary side.
6.バイカル:世界で最も深い湖
イルクーツクに1日か2日滞在し、バイカル湖を訪れよう。ゆっくりと散策し、シベリアの街を楽しみ、19世紀にここに流刑された貴族の反乱者たちの歴史に触れよう。
バイカルはあらゆる形のレジャーの宝庫である。1日ボートを借りて、釣りに出かけ、ここでしか食べられない幻の魚オームリ(サケ科の白身の魚)など、収穫した魚を食べる。またとっても愛らしい動物、バイカルアザラシに出会えるかもしれない。現地にはこちらを始め、旅行会社がいくつかあり、あなたを手助けしてくれるだろう。
持参したい本:「戦争と平和」(レフ・トルストイ)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):2,000ドル(およそ210,000円)
バイカル湖での過ごし方についてはこちらでさらに詳しくどうぞ。
7.カムチャツカ:火山とクマ
クジラが泳ぎ、あなたのボートの周りを飛び跳ねているところで釣りができるなんて信じられるだろうか。カムチャツカはもっともお金のかかる旅行先ではあるが、信じられないほど美しい自然と野生を探検するにはなんでもありのところである。
ラフティング、ハイキング、ボート、乗馬、クマの戯れを見学し、火山のクレーターを覗き込み、ヘリコプターで空中を散歩する。これらはカムチャツカで楽しめるアクティヴィティのほんの一例であり、現地にある多数の旅行会社がさらにあなたを手助けしてくれるだろう。
持参したい本:「猟人日記」(イワン・ツルゲーネフ)
1週間の旅の予算(2人分、トランスファーなし):3,000ドル(およそ320,000円)から
カムチャツカの火山噴火を3D空中パノラマでご覧になりたい方はこちらでどうぞ。