土曜日
午前11時
さて、街に到着だ。ここの観光インフラは十分に整っているとは言えない。街の中心通りにあたるモスコフスカヤ通りの29番には、「ズヴェニゴロド (Zvenigorod)」ホテルがあり、宿泊代はシングル約7500円、ツイン約1万円となっている。ホテルから数軒先には同じ名前のレストランがあり、朝食、昼食、夕食を食べることができる。ここでは土産物店全店、カフェ、ホテル、また子供にまでズヴェニゴロドという名前がつけられているほど、街の名前はポピュラーだ。
正午
この街の主な観光名所は、モスクワ川河岸にたたずむサッヴィノ・ストロジェフスキー修道院(Savvino-Storozhevsky Monastery)だ。ここは男子修道院で、有名なラドネジの聖セルギイの弟子が1398年に創設した。それでも、セルギエフ・ポサードの至聖三者聖セルギイ大修道院や、ヴォログダ州のキリロ・ベロゼルスキー修道院に比べると、かなり小ぶりだ。複数の大聖堂、修道士の小部屋のある棟、それらの白壁が、他の建物の鮮やかな赤色、黄色と美しく融合している。
ベラルーシ駅から電車で終点のズヴェニゴロド駅まで行く。1時間半に1本走っており、正確な時刻表はhttp://tutu.ru/にて確認可能。乗車券は99ルーブル(約300円)で、すぐに急いでバス23番に乗ることが必要(バスは乗客を待たずにすぐに出発してしまうため)。このバスはサッヴィノ・ストロジェフスキー修道院に行く。
修道士は「人が来て修道院を観賞してくれれば」と、来る人を歓迎する。観光客は修道院のパン屋で、焼き立ての香ばしいパンをお手頃価格(1個200円ほど)で買うこともできる。
午後2時
修道院の敷地を散歩しながら食堂に立ち寄ると、誰でも600~700円ほどでボルシチとメイン料理のあるグルメ・ランチを食べられる。そばのお店ではメドヴーハ(蜜酒)という、ロシアの伝統的な甘くて弱いお酒も販売されている。
午後3時
さらに文化散策を続けるなら、近くにあるゴロドクの生神女就寝大聖堂(Dormition Cathedral on Gorodok)が最適だ。モスクワ郊外の大聖堂でもっとも美しく、古い建物の一つである。初期モスクワ建築(14世紀末)と、有名なイコン 画家のアンドレイ・ルブリョフやダニイル・チョルヌイの装飾画という要素が重なり、ロシア有数の正教の聖地、そして貴重な歴史・文化遺産となっている。
日曜日
午前11時
町はずれにあるペンション「ズヴェニゴロツキー(Zvanigorodskii)」は、トウヒやマツに囲まれた閑静な休息施設だ。ここは冬でも夏でも同様にくつろぐことができる。スキー・スロープがあり、スキー、ソリ、チュービングもレンタル可能。モスクワ川にも近く、夏は岸辺で楽しめる。ここでの宿泊も可能で、ツインは1泊1万3000円ほどだ。
午後1時
温暖な季節は屋外のピクニックが最高だ。マンガル(バーベキューコンロ)や木製のイスが用意されているから、バーベキューも楽しめる。ただ、ここでバーベキューをする場合には、ズヴェニゴロドであらかじめ食材を調達しておく必要がある。
午後3時
帰り道は、アレクサンドル・プーシキンが子供時代を過ごした、美しいボリシエ・ヴャジョムィ村に立ち寄ってもいい。この村に位置するゴリーツィン邸には逸 話がある。ロシアのミハイル・クトゥーゾフ総司令官は1812年、モスクワへの退却の途上、この邸宅に宿泊した。そしてクトゥーゾ フがここを出た後、ナポレオンが来て、同じベッドで寝たのだ。
後年、プーシキンはナターリア・ゴリーツィナ公爵夫人とこの村で過ごし、のちにこの公爵 夫人をモデルにして、中編小説「スペードの女王」を書いた。
午後4時
ボリシエ・ヴャジョムィ村の隣には、まだ小さかったプーシキンが、祖母のマリア・ガンニバルと暮らしたハロヴォ村がある。プーシキンの詩「ルスランと リュドミラ」の有名な序文、「入江には緑の樫の木があった」の入江は正にここにある。かつては樫の木が沼の屈曲点にあり、プーシキンにインスピレー ションを与えたのだ。
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