=ヴャチェスラフ・ステパノフ/GELIO撮影
午後3時、クレムリン
観光は、カザン・クレムリン(Kazan Kremlin)に隣接している、地下鉄クレムリン駅(Kremlyovskaya Metro Station)から始めるといいだろう。この街の地下鉄は今のところ、1路線と15分間隔で到着する2本の列車しかなく、利用者は主に旅行客となってい る。地下鉄駅の内装は、モスクワの地下鉄におとらない美しさを誇る。1回の運賃は約50円だ。2000年にユネスコ世界遺産に登録されたカザン・クレムリ ンでは、数々の塔や聖堂以外にも、イスラム寺院のクルシャリフ・モスクや、斜塔のシュユンビケ塔は一見の価値がある。シュユンビケ塔はピサの斜塔と同様の 速度で傾いている。
午後5時、ネオゴシック建築
クレムリンの後は、近くのフェドセエフスカヤ通り36(36 Fedoseevskaya Street)に位置する、農学宮殿(Agricultural Palace)、現在のタタールスタン共和国農業省の建物を見に行ってみよう。これほど幻想的な建物は国内にはないだろう。円柱、丸屋根、グリフォン、浅浮き彫り、鏡張り、建物中心部のアーチに大きく広がるコンクリート製の木など、圧倒されるような優美で大きな建築物だ。
午後6時30分、バウマン通りで夕食
モスクワの旧アルバート通りのようなバウマン通りで夕食を取ってみよう。さまざまなカフェやレストランが立ち並ぶが、バウマン通り31(31 Baumanskaya Street)に位置する、「タタール料理館(Dom Tatarskoi Kulinarii)」、または類似しているものの、少し価格が安い「茶館(Dom Chaya)」がおすすめだ。どちらのレストランでも、伝統的なタル・タル(荒挽き生肉)や、グバジヤ(お祝い用の牛肉パイ)、ロシア全土で知られている チェブレク(羊肉や子牛肉のピロシキ)などが提供されている。どちらもメニューはほぼ同一で、異なる点は価格と内装だ。茶館ではデザート付きランチ2人前 が10ユーロ(約1300円)以下だが、タタール料理館では30~50ユーロ(約3900~6500円)ほどかかってしまう。
午後9時、ソ連舞踊
マヤコフスキー通り24a(24a Mayakovskii Street)に位置する、クラブ・レストラン「マヤコフスキー:黄色い上着(Mayakovskii. Jeltaya Kofta)」で、コンサートを楽しみながら一日を終えるのもいい。ソ連時代には地下活動をしていたものの、現在は有名になっているグループが、ロシア各地から訪れる。メニューには、ソ連の詩人、ウラジーミル・マヤコフスキーの作品にインスピレーションを受けた名称が並ぶ。1人15~25ユーロ(約 2000~3300円)ほどかかる。
土曜日
午前10時、スイーツな朝
カール・マルクス通り50(50 Karl Marks Street)に位置する、カフェ「グルメ(Lakomka)」の朝食は、一日の気分を盛り上げてくれるだろう。以前はここのケーキを買おうと、一晩中行列ができていた。おいしさの秘密は、本物のロシア式石窯だ。最新式業務用オーブンの導入を検討していた時期もあったが、伝統を残して正解だった。ここは コーヒーとスイーツが大好きな人にとっては、天国のような場所だ。タタールのデザートであるチャク・チャク(蜂蜜焼き菓子)、ケーキ、カステラなどがあ り、3~7ユーロ(約400~900円)で食べることができる。
午前11時、非観光地
カフェから出たら、カール・マルクス通り(Karl Marks Street)-ボリシャヤ・クラスナヤ通り(Bol'shaya Krasnaya Street)-レフ・トルストイ通り(Lev Tolstoi Street)という、普通とはちょっと違う観光コースを歩いてみよう。スヴォーロフ軍事学校(Suvorov Military School)、木造やレンガ造りの歴史ある商人の家など、貴重な建物を見ることができる。
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=ヴャチェスラフ・ステパノフ/GELIO撮影
午後1時、河岸通りを散歩
レフ・トルストイ通りを歩いているとカザンカ川河岸に出る。貯水池が建設された後、カザンカ川は流れの緩やかな幅広い川(幅は平均1キロメートル)に なった。河岸通りは、ロシア有数の大きさを誇る、カザン1000周年広場(Millenium Square)から始まる。歴史的なクレムリンやクルシャリフ・モスク、そして現代的なカザン・サーカス(kazan Circus)の建物を望む広場のパノラマは、街の「名刺」と考えられている。
午後3時、タタールスタン最古のモスク
地下鉄クレムリン駅の次のトゥカイ広場駅(Tukai Square Metro Station)で降りて南南西に歩くと、カユム・ナスィリ通り17(17 Qayum Nasiri Street)にアリ・マルジャニ・モスク(Al-Marjan Mosque)がある。観光客を歓迎し、無料で案内をしてくれる。この近くにはトルコの学生街もある。トルコ政府から援助を受けて、コーランを学ぶ学生た ちだ。カザンのどこよりも、タタール語とトルコ語がよく聞こえるのがこの場所だ。
午後4時、カザンの土産物
おいしい軽食と紅茶を楽しんだり、お土産を買ったりするなら、パリ・コミューン通り20(20 Paris Commune Street)に位置する、「エビヴォリ(Ebivol')」ギャラリーをのぞいてみるといいかもしれない。カザンの芸術家の絵画などを買うことのできる ギャラリーであり、茶室、またイスラムやタタールの服に特化した「アルトィン・アイ」工房でもある。お土産の価格は、ベルトやお財布なら20ユーロ(約 2500円)から、タタールの民族衣装なら100ユーロ(約1万3000円)からとなっている。
午後5時、競馬場で夕食
パトリス・ルムンバ通り47a(47a Patrice Lumumba Street)に位置する、カザン競馬場のレストラン「金の蹄鉄(Zolotaya Podkova)」で夕食を楽しむことをおすすめする。このレストランはとても人気があるため、席は事前に予約しておいた方が良い。2人前の夕食は約30 ユーロ(約4000円)だ。カザン競馬場にも無料で入ることができる。ここでは、馬車で街を散策するコースが予約可能となっている。
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日曜日
日曜日は郊外に少し足を伸ばしてみるといいかもしれない。修道院の島、スヴィヤシュスク村も一見の価値ありだ。
スヴィヤシュスク村
ここには現在、4ヶ所の修道院と数多くの正教会がある。島とは言っても、自動車道が敷かれ、陸続きになっているため、バスで行くこともできるし、カザン埠頭から船で行くこともできる。ここではツアー・サービスを利用するのが理想的だ。ボリシェヴィキに殺害されたアンヴロシイ主教の話、ウラジーミル・レー ニンの指令で建てたとも言われる、伝説的なユダ像「反キリスト教の戦士」の話などを聞くことができる。
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