ベラルーシ国境
=ロイター通信ベラルーシは日本、アメリカ、すべてのEU加盟国を含む80カ国の市民に対し、5日以内の滞在に限り入国ビザを免除する。ベラルーシのルカシェンコ大統領が署名したこの法令は公布から1ヶ月後に発効する。
これによりモスクワに住む外国人は気軽に隣国ベラルーシを訪問することができるようになる。しかしベラルーシからロシアに行く場合はどうなのか。ロシアとベラルーシの間には連邦国家創設条約が締結されており、事実上ロシアとベラルーシの間に国境はない。人々は簡略化された通行証で2つの国を行き来しており、国際的な検問所など存在しない。
ベラルーシは短期滞在のビザなし入国に関する新たな規定について、ミンスク国際空港から入国する者だけを対象としたものだと警告している。外国人が飛行機でミンスクからロシアに入国するにはビザが必要である。そして外国人がロシアの各都市から飛行機でミンスクに入る場合もまた同様だ。
飛行機での移動で、ビザを持っている場合は簡単だ。しかし現在はこれが外国人にとっては唯一の方法となっている(現在この問題については問題解決に向けた協議が開かれている)。列車、バス、自動車など、地上の交通手段で移動するのは違法であるからだ。
やはりここでも問題なのは、税関や国境監視所を備えた国際的な検問所がないことだ。ベラルーシにそれらはない。両国が取り決めた仮想上の国境にはもちろんロシアの国境警備局が置かれている。しかし警備員はパスポートの審査を行うだけだ。列車で通過する場合も同様にパスポートのチェックは義務づけられている。
かつてそのような乗客はほとんどの場合バスから降ろされ、帰されるかまたは警告を受けた。現在は掲示板に「国際検問所を通り過ぎた場合は2000〜7000ルーブル(およそ3800〜13500円)の罰金が課される」と記されている。そもそも窓口で外国人にバスの切符は販売されていない。もしインターネットで買うことができたとしても、結局は書類のチェックの際に見つかることになるだろう。
確かにそんな例もある。「スタンプもメモ書きも要らない。止められるのも稀だ」とソーシャルメディアには書かれている。しかし昨年9月、ロシアが国境でポーランド市民の入国を阻止したことを受けて、ポーランドがロシアを非難するという事件があった。ポーランド市民らは、こうした入国の方法は合法だと自信を持っていたが、ロシアの国境警備員は彼らを入国させなかった。実際はこの国境通過の規定は20年以上変わっておらず、ロシア側はそのことを改めて思い出させようとしたわけだ。その際、ロシア旅行業協会広報部は「いかなる第三国の市民の通過のためにも検問所は閉じられており、これからも開かれることはないだろう」と言明した。
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