国民の半数がネット検閲を支持

エフゲー二・クルスコフ撮影/タス通信
 ロシア人の49%はインターネットの検閲に反対していない。アメリカとロシアの社会学者の共同報告で、これが明らかになった。インターネットを管理しようとする試みは、言論の自由の侵害とは認識されていないようだ。

 ロシア人の49%はインターネット上の情報を検閲する必要があると考えており、58%は国の脅威となる場合、ロシアのインターネットを完全に切断することに反対しない。アメリカのペンシルベニア大学グローバル・コミュニケーション研究センター・インターネット政策観察所と、全ロシア世論研究センターの共同報告「社会が望むものとは:ロシア人のインターネット管理への期待」で、このような結論が記されている。

 禁止に値する、より「危険な」コンテンツとして認識されているのは、ホモセクシャルのポルノ(59%)、反政府活動組織の交流サイト(SNS)のグループ(46%)、バンド「プッシー・ライオット」の動画(46%)。

「自由なインターネットを目指す社会的な意欲からすると、この結果はかなり残念」と、グローバル・コミュニケーション研究センターのモンロー・プライス所長は報告に書いている。

 

全ロシア世論研究センターの調査に参加したのは、18歳以上のロシアの国民。より正確に世論を調べるため、国内42地域で多段無作為抽出によって回答者が選ばれた。研究者によると、エラーデータは3~4%以下。回答者の42%が常にインターネットを使用、20%が時々使用、38%がインターネットを使用していない。

有害なコンテンツの規制には賛成

 研究が発表されたのは今年2月だったが、ロシアの連邦テレビが報道を始めたのは8月上旬のことである。とはいえ、ロシアの世論調査機関「レバダ・センター」は、ロシアNOWの取材に対し、市民がインターネットの規制を支持する傾向に変化はないと説明する。

 レバダ・センターのデータによると、昨年10月にインターネットの検閲を支持したロシア人は54%にのぼった。「例えば、児童ポルノなどのコンテンツに対する検閲になると、支持される。あとはインターネットの利用者と非利用者の意見には大きな違いがあり、非利用者にとってインターネットとは、よくわからない脅威の源で、どうすべきかわからないから禁止した方がよいと考える」と、レバダ・センターのアナリスト、デニス・ヴォルコフ氏は話す。

 

規制の形

 完全な検閲に関する質問は、あくまでも仮定形のようだ。ロシアでは憲法で検閲が禁止されており、ウラジーミル・プーチン大統領は「ロシアはインターネットへのアクセスに制限をかけたり、完全な管理下に置いたりすることはない」と述べている。

 それでも、2012年からインターネットのリソースの遮断に関する法案が増えていると、ロシア電子通信協会の主任アナリスト、カレン・カザリャン氏はロシアNOWに説明する。「それらすべてが法律になるわけではないが、法案の多くは保護・禁止的内容となっており、産業の発展ではなく、インターネット規制に向けられている」

 例えば、この2012年に、ウェブサイトの裁判外遮断メカニズムとインターネット・リソースの禁止リストがあらわれ、2014年に、過激主義および暴動を呼びかけるリソースの裁判外無期遮断が可能になった。

 

国家の義務

 インターネット研究所戦略計画部のイリーナ・レヴォワ部長によると、自国のインターネットへのサイバー脅威が高まり、国が自国枠を強化しようと試みている状況において、管理は自然な動きだという。「これは基盤インフラと市民の安全保障というあらゆる国の直接的な義務。アメリカにも検閲を禁止する憲法修正第一条があるが、2001年、国家の安全保障にかかわる場合にすべてが事実上許容される愛国者法が成立した」。ロシアでは、アメリカや欧州連合(EU)の一部の国ほど、インターネットがコントロールされていないと、レヴォワ部長は考える。例えば、ロシアではインターネットの匿名性維持のメカニズムが、より発達している。

 社会学者や専門家によると、一般的には国民の多くが、自分に直接関係のない制限法案を気にしないようにしているという。少なくとも、これに関する抗議の波は起きていない。ロシア著作権保有者連盟が、著作権保有者のためにインターネット・ユーザーひとりひとりから年間300ルーブル(約580円)を徴収してはどうか、と提案した時には、多くの人が注目した。だがこれは個人の金銭に関わる話であるため、例外的と言える。他のすべての提案に対しては落ち着いている。それによって個々の企業にどのような法的リスクが生じるのかを理解しようとしないようだ。

 ヴォルコフ氏はこう話す。「国民のほとんどは、情報へのアクセスの権利を制限しようとする試みには無関係」

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