Googleがロシアにサーバ移転

写真提供:EPA

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アメリカの検索大手「グーグル」は、ロシア連邦法の9月の新法施行に向けて、ロシア人のデータが保存されるサーバをロシアに移している。専門家によると、移転のコストは本来であればもっと抑えられるはずであるが、ロシア市場で新しいサービスを展開し、主な競合企業であるロシアの検索大手「ヤンデックス」とシェアの獲得競争を行う計画を立てている可能性もあるという。

 グーグルは、ロシア国内にロシア人の個人情報を早期に移し始めた、外資系企業の一社となった。これは今年9月に施行される新法によって義務づけられるもの。これまでに、アメリカの競売大手「イーベイ」のロシア法人のウラジーミル・ドルゴフ社長が、データ移転への準備について発表していた。グーグルは1年以上前から、ロシアへの設備設置契約を結び始め、現在すでに、複数のデータセンターに数十のラックを保有していると、ロシアの情報ポータル「RBC」は報道している。

 

閉鎖データ

 ロシア連邦情報技術・通信省の新法施行に関する会議の速記録を、RBCが入手した。ロシアのデータ・ストレージ会社「ストアデータ」のアントン・プラトノフ社長は会議の席で、グーグルには現在、ロシア国内のデータセンターに数十のラックがあると述べた。

 グーグルはどうやら、地元のデータ・センターにさほど信頼を置いていないようだ。会議の出席者の一人は、「半官半民企業」である自社のデータ・センターにもグーグルが情報を保管していると話した。グーグルは「自社のラックに部外者を寄せ付けなかった」ということで、外国から出張してくるグーグルの従業員にそれが限定されているという。

 

移転の状況は

 グーグル広報部はロシアNOWの取材に対し、ロシアへのデータ移転の状況についてはノーコメントと話した。

 グーグルははるかに低いコストでロシアの新法の要件に準拠できたのでは、と話すのは、ロシア電子通信協会の主任アナリスト、カレン・カザリャン氏。「ロシアで自社のクラウド技術を積極的に推進するなど、新たなサービスを提供する計画を立てている可能性もある」

 グーグルは最近、ロシアで地位を強化した。しかしながら、ロシア市場を先導しているのは、いまだに地元の検索エンジン「ヤンデックス」である。これは統計サービス「ライヴインターネット・ル」が証明している。今年1月末の時点で、ロシアにおけるヤンデックスのシェアは2.8%減の58.9%まで縮小した。一方で、グーグルの同時期のシェアは5.9%増の32.8%まで拡大している。イギリス系調査会社「テイラーネルソン・ソフレス(TNS)」によると、ヤンデックスはロシアにおける月間ユーザー数でグーグルに大きく水をあけており、グーグルの4940万人に対し、ヤンデックスは6200万人になっている。しかし、これらのデータはモバイルユーザーを含めていない。

 2月初めに発表されたアメリカの金融大手「モルガン・スタンレー」のアナリスト・レポートによると、グーグルはロシアのモバイル機器・アプリのユーザーの間で市場の上位に浮上しつつある。ヤンデックスは、グーグルがアンドロイド搭載のモバイル機器に、自社商品の設定に関する排他的な契約と、競合企業のアプリのプリセット拒否を強いている、と訴えていた。