ロシアで続く建物倒壊の背景

アレクセイ・モルガヴコ撮影/ロシア通信

アレクセイ・モルガヴコ撮影/ロシア通信

ロシアでは、建物の倒壊事故がここ数日で三件発生し、ペルミとヤロスラヴリでは、住宅の正面部分が崩れ、オムスクでは、兵舎が壊れて23人の軍人が命を落とし、死者の総数は、25人に達した。専門家らは、建物倒壊の原因は、修理や増築の過程で生じる設計違反および建物に対する当局のずさんな監理にある、と考えている。

 倒壊事故は、まずウラルの町ペルミで発生し、そこでは、7月11日の午前に1950年代に建てられた住宅の一角が崩れ、がれきの下敷きとなった住人二人が死亡し、一人が病院へ搬送された。調査によると、事故の原因は建物の骨組の劣化にあり、その責任は建物を管理している会社にあるものとみられる。7月13日には、ロシア・ヨーロッパ部の町ヤロスラヴリでも同様の事故が発生し、そこでは、住宅の正面部分が崩れ、ガス管が損傷を被ったものの、幸い犠牲者はなかった。

 

兵舎での事故 

 三件のうちもっとも悲惨で深刻なものとなったのは、シベリアの町オムスクで発生した事故で、そこでは、7月12日の晩に空挺部隊の訓練センターの兵舎の一つが倒壊した。それは、軍人らがすでに兵舎内で消灯の合図を待っていた際の出来事で、合わせて42人が建物のがれきに埋まり、そのうち23人は死亡し、残りの人は、救助活動の過程でがれきの下から救出され、負傷した兵士の一部は、治療のためにモスクワへ搬送された。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、オムスクで亡くなった軍人の遺族に哀悼の念を表し、事態を「掌握する」ことを約束した。この事故に対する責任は、セルゲイ・ショイグ国防相に負わされた。ロシア連邦調査委員会の発表によれば、倒壊の原因としては2013~2014年の建物の全面的修理(建物は1975年に建設された)の際に犯された違反が考えられる。修理は、建築法違反により罰金を課せられたことのある会社「レムエクスストロイ」が、下請組織として行った。これまで、同社は、軍・治安機関の兵舎の修理や改修の工事をたびたび受注してきた。

 

事故の原因 

 会社「ゴロツコイ・ツェントル・エクスベルチズ(市の鑑査センター)」のアレクサンドル・モスカレンコ社長は、建物倒壊の主な原因として設計上のミスおよび所有者や修理業者による建物内部の構造の恣意的な手直しを挙げており、ロシアNOWの記者にペルミでの事故の原因についてこう述べた。

「建物は、1950年代に建てられたもので、下層の階にオフィスや商店といった商業スペースが増設されるまでは、堅牢でした。そうした増設の際には、しばしば窓がドアに作り直されたり開口部が拡げられたりしますが、ペルミのその建物の場合は、外壁が支えとなっていました。おそらく、まさにそのために建物の正面部分が崩れたのでしょう」

 オムスクでの惨事について、モスカレンコ氏は、調査委員会の説を支持しており、こう語った。「二年ほど前、兵舎では、全面的修理が行われていました。おそらく、その修理の際に隔壁の構造が乱れ、それが、事故につながったのでしょう」

 ロシア功労建築家のアレクセイ・シチェグロフ氏は、建物の監理がずさんだったのではと推測し、ロシアNOWの記者にこう述べた。「多くの古い建物は、全面的修理を必要としていますが、それらの所有者や国家は、化粧直しで“お茶を濁して”います。しかも、建物の築年数ばかりでなく、建設に際しての設計の質も、問題視されています」