騒動起こした米バンドに刑事罰か

Getty Images撮影

Getty Images撮影

アメリカのパンクロック・バンド「ブラッドハウンド・ギャング」が、ライブ中にロシア国旗を侮辱したとして、ロシアの警察当局が動いている。ロシア国旗に対する侮辱は、ロシア連邦刑法典第329条に抵触する。最大で禁固刑1年の可能性も。

露国旗を股に挟んで後ろから引っ張り出し「プーチンには内緒だぜ 

 「ブラッドハウンド・ギャング」は7月31日、ウクライナ南部オデッサ市のクラブ「イビサ」で公演。この際、ベース担当のジャレッド・ハッセルホフがズ ボンを少し下げ、ロシア国旗を股にねじ込み、後ろからひっぱりだして、観客に投げた。ウクライナの観客はこれを見て拍手喝さいし、ハッセルホフは「プーチ ンには内緒だぜ」と言った。ボーカルのジミー・ポップはこの時、「ロシアはアメリカよりマシ」と言って、このパフォーマンスを支持しなかった。この行いは 動画撮影され、ネットに投稿されて炎上。

 

露政治家たちがさっそく非難 

 バンドは8月2日の次の公演、ロシア・クラスノダール地方アナパ市のロック・フェスティバル「クバナ」のため、ロシアに入国した。だが与党「統一ロシ ア」のロベルト・シュレゲリ議員は、この動画がネットに現れた直後、バンドのロシア出国を求める声明を発表。ウラジーミル・メディンスキー文化相は自 身のツイッターに、クラスノダール地方の幹部と話をした結果、バンドがすでに「スーツケースをまとめている」と書いた。ロシア自由民主党のウラジーミル・ ジリノフスキー党首は、より厳しい意見を述べた。「ロシア国旗を汚したこの軽蔑すべきバンドは、永久に入国禁止にすべき」。

 

ロシア入りするも公演は主催者が中止 

 バンドはアナパ市入りしていたが、公演は主催者が中止にした。バンドは急きょ記者会見を開き、ハッセルホフは自身の行いについて次のように説明して謝 罪。「舞台から観客に投げるものはすべて、私のパンツを経由する」。だがクラスノダール地方のアレクサンドル・トカチョフ知事は、自分たちの謝罪で”股ぬ ぐいしていればいい”とコメント。

 「クバナ」フェスティバルのプロデューサー、イリヤ・オストロフスキー氏はこう話した。「ブラッドハウンド・ギャングの公演がただ中止になったと告げた だけでは観客は納得しない。だから何が起こったのかを短く説明した。その時点で観客はバンドに対する不満を表現し始めた。そして公演中止の決定が下された と言うと、バンドへの罵言や、『よくやった』、『ロシア!』などの声が響いた」。

 

腐った卵やトマトをバンドに投げる 

 バンドが滞在していたホテルの出入り口では、ロシアの若者が腐った卵やトマトをバンドに投げつけ、アナパ空港のビジネス・ホールでは、マスクをしたりコ サックの格好をしたりした何人かの若者がバンドに襲いかかろうとした。若者らはアメリカ国旗を手に持ち、それを破いた。この襲撃を警察は止めた。

 マイケル・マクフォール在ロシア・アメリカ大使は、バンドがやったことも、バンドへの襲撃も、どちらも「不愉快」だと述べた。

 バンドは出国前、捜査当局の取り調べを受けた。インターファクス通信は捜査当局の関係者の情報として、「バンドの伝統的な儀式(股ぬぐい)のために、ロシ ア国旗を渡されたことは知らなかった」との取り調べの際のハッセルホフ氏の発言をのせている。だが「プーチンには内緒だぜ」と発言しているなど、これは明 らかに矛盾している。

 

立件の可能性を探る 

 弁護士会「あなたの弁護士」のコンスタンチン・トラパイゼ会長がイズベスチヤ紙に語ったところによると、ロシアにはこの行動に対する法的権限がないとい う。行われたのがロシア国外であるためだ。「ロシアの警察当局にできるのは、ウクライナに対して、今後同様の活動があった際に、それを阻止するよう要請す ることだけ」。一方で、ウラジーミル・ジェレベンコフ弁護士は、今後同様の問題が起きることを防ぐために、立件可能だと話す。