ロシア連邦国防省は先週、2020年までのロシアの陸、海、空軍の発展・構築計画という、これまで完全に機密とされてきた情報をインターネットにアップロードした =タス通信撮影
これは衝動的な行動ではない。国防省の幹部会は、掲載を念頭に置きながら、5月末に行われた空軍および航空宇宙防衛軍の戦闘適応力に対する無通告査察の結果、および陸、海、空軍への契約軍人の補充、兵役の改善、軍の発展および構築の計画に関する、国防省による大統領令実施計画について話し合った。
それでも、こ の発展・構築計画は、省の幹部会で打ち合わせまたは承認される前に省のウェブサイトに掲載されていたのだが・・・。省の広報・情報管理局の局長を務める イーゴリ・コナシェンコフ少佐は、この計画に対するすべてのコメントがそのままウェブサイト上に反映され、担当する軍の責任者に転送されると話した。
各種兵器の配備時期、契約兵士の補充の時期など
当然のことながら、軍の発展計画にはインターネットに掲載されない非公開部分もある。だが軍事専門家の意見によると、公開情報は十分すぎるほどあるという。例えば、潜水艦や艦艇の乗組員に契約兵士がいつ、またいかに補充されるかについて知ることができる。計画にはこの時期が2013年12月と記されている。空挺部隊にも、同じ時期に契約兵士が補充される。
兵器などの軍備に関する情報も興味深い。例えば新しい潜水艦の場合、2020年までの国家軍備プログラムで計画されている艘数の47%が、今年末までに 配備される。海軍のみならず、空軍の戦闘機、前線の爆撃機、戦車、自走砲、多連装ロケットシステム、また陸軍の軍備などについても配備率を知ることが可能 だ。
それにしてもなぜ?
インターネットの情報以外に、ゲラシモフ参謀総長も「軍の機密」を明かしている。それによると、飛行機70~100機、ヘリコプター120機、艦艇お よび潜水艦8~9隻、新たな機甲兵器600台以下が毎年配備されるという。最新型の能力の高い兵器の導入、既存の兵器の修理と刷新、訓練センター、特殊演習場、居住街、その他の建設と改築も計画にある。
ゲラシモフ参謀総長によれば、能力の高い兵器の大量導入は、2016年から始まるという。このために、2015年に新型主力戦車「アルマタ」、歩兵戦闘 車「クルガネツ」、装甲戦闘車両の開発が完了し、ついで2016年に戦闘機(前線空軍未来航空複合体)「T-50」が、2018年には次世代駆逐艦が、それぞれ開発を終える見込み。
それにしても、なぜ国防省はインターネットに計画をわざわざアップロードしたのだろうか。答えはいくつもある。まず、2012年5月7日付け大統領令第 603号によって、公開が求められているから。また、公開によってロシアで市民団体が生まれ、空、陸、海軍に対する社会の管理が進むことが期待されているから。ショイグ国防相のもとでは、このような管理が重要になっているようだ。
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